東京都西部のこども食堂、パントリーを応援するフードバンク設立事業

団体名 こどもプロジェクト

都道府県 東京都

助成額 1,000,000

活動開始日 2020/3/1

活動終了日 2020/8/31

助成金で行った活動の概要
新型コロナウィルス感染拡大と拡大防止政策の影響で、社会全体が混乱し、貧困や虐待、家族崩壊などの子どもたちの課題がますます見えにくくなった。こども食堂をはじめ子育て支援団体などは、学校休校の3月に給食がなくなって行き場を失った食材を引き取ることがきっかけになってパントリー活動を始めることとなった。当団体は福島からの避難親子を支援する居場所を常設しているため、企業のみならず地域住民などからの食材寄付が多くなり、またフードロスの削減と要支援家庭とをつなげることを考えて、こども食堂を手作り弁当テイクアウトとしてパントリー活動を月2~4回実施した。その需要の高さを実感しながら、取りに来られないひとり親家庭や避難家庭には月2回宅食を行った。近隣の連携している団体へは食材を運搬した。一方、その需要にこたえるために安定した食材の供給ルートや物流を整備し、より多くのこども食堂やパントリー団体とつながって要支援家庭をサポートできるよう、東京都の中央に位置する武蔵野、三鷹、杉並エリアからスタートして各自治体を巻き込みながらの大型フードバンクのモデル事業設立を目指しネットワークを構築した。 3月 テイクアウト200食、パントリー200名、宅食200名 4月 テイクアウト240食、パントリー240名、宅食256名  5月 テイクアウト260食、パントリー260名、宅食280名 6月 テイクアウト160食、パントリー160名、宅食280名 7月 テイクアウト160食、パントリー160名、宅食280名 8月 テイクアウト240食、パントリー240名、宅食280名 9月 テイクアウト160食、パントリー160名、宅食280名 10月テイクアウト160食、パントリー160名、宅食280名 11月テイクアウト200食、パントリー200名、宅食280名 12月テイクアウト200食、パントリー200名、宅食280名 合計 テイクアウト1,980食、パントリー1,980名、宅食2,696名 連携団体のエリア 杉並区、武蔵野市、世田谷区、三鷹市 宅食の支援対象 福島から都内に避難する親子、ひとり親家庭

活動日数 139

支援対象者実人数 4,520

支援対象者延べ人数 8,920

参加ボランティア実人数 5

参加ボランティア延べ人数 700

本助成金による活動の成果
本助成金は、コロナ禍で需要が高まったパントリーのボランティアへの謝金や管理者の人件費と食材等を保管する冷蔵庫や冷凍庫の購入に使用させていただいた。休校になりこども食堂を昼間のテイクアウトに変えてから参加者が倍増し、早くから広域フードバンクの必要性を感じ、また集まってくるフードロス等による食材寄付に対してスペースがないというところがこども食堂共通の課題であったため、本助成金で購入した冷凍庫や冷蔵庫は、当団体だけでなく近くのこども食堂パントリーと共有で使えて、その地域の拠点づくりにたいへん役に立った。広域の大型フードバンクと地域の拠点は同じく重要で推進していかなければならないため、本助成をもとにスペースの確保ができ常温の食材だけでなく給食用の食材や地域の野菜など温度の管理が必要なものを受け入れることが複数の団体でできるようになったことは大きく環境整備につながった。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
◆ コロナ禍でパントリーを行っている支援団体の多くは常設の場所を持たない子ども食堂等なため、たくさんの食材を置く場所や冷蔵庫や冷凍庫を持たず、食材の受け入れに限界があり需要に対して応えることができない。また、自転車などで移動する範囲の活動であることが多く、大型のフードバンクまで車で食材を取りに行くことが難しい。それらを踏まえると、東京の中央部に企業等のフードロスを受け入れられる大きなフードバンク倉庫が必要で、また各区内に最低2か所のフードバンク拠点が必要であると考える。こども食堂はまだ新しい活動で法人格を持たないところが多く、予算規模も小さい。モデル事業を作って国や自治体とも連携しながら推進していくことが必要である。 ◆今後の取り組み 2020年12月に武蔵野市、三鷹市、杉並区の団体が参加するフードバンク設立準備委員会が発足、武蔵野市を拠点としてフードバンクを作るための話し合いが始まったが、「フードバンク」、「フードパントリー」、「フードドライブ」、などの言葉の意味の違いや認識の違いがまずあって、さらに環境系やフードロス削減などを第1目的に考える団体は食材を集めることのみを考えるにとまり、こども食堂など福祉系の団体はその先の分配の方法や対象者を考えて緊急性や温度の差があることがわかった。農水省、厚労省、など指導官庁も違うため、大型フードバンクを作るにはそれらをすべて総括的にバランスよく考えていかなければならない。 当団体は長年広域的な子ども支援活動を実施しているが、地域密着の狭い範囲の活動であるこども食堂に自治体を超えた新しい子ども支援体制の可能性を感じているので、今後はさらに支援ネットワークを広げながら、武蔵野市内に大きな倉庫を確保して、大学とも連携した中間支援の広域大型フードバンクモデル事業を作ることに尽力する予定である。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://kodomo-project.com/?p=2285