都道府県 東京都
助成額 990,000円
活動開始日 2020/9/15
活動終了日 2021/3/31
助成金で行った活動の概要
新宿にある3つのこども食堂、新宿ことも食堂たんすまち、新宿こども食堂わかまつ、東長寺こども食堂の利用家庭のうち、コロナ禍で生活が困窮したひとり親家庭、生活保護家庭、住民税非課税家庭、離婚調停中家庭を対象に、月1回、米や乾麺、調味料などの食品を宅配便を無料で届けた。3つのこども食堂から、対象家庭に該当する家庭を紹介してもらい、当初は22世帯でスタートした。しかし、コロナ禍で各こども食堂の新規利用者が増加したため紹介家庭が増え、最終的には30世帯にまで利用家庭数が増えた。運営は新宿こども食堂たんすまちから3名、新宿こども食堂わかまつから1名、東長寺こども食堂から1名がボランティア参加。新宿区子ども家庭支援センターや福祉事務所、寄付団体との連絡調整をする渉外・広報担当1名、発注・検品2名、ロジ担当1名、事務担当1名で事務局とした。配送の仕分け作業には、3つのこども食堂のボランティアから参加募集を行い、毎回6名程度の人員が2時間かけて食品の仕分け・箱詰めを行った。仕分け作業中は、新型コロナ感染対策を講じる必要があったため、公衆衛生学修士を持つボランティアが感染対策責任者となり、ボランティア参加者の参加基準を儲け、会場のオペレーションや導線計画を策定して順守をチェックした。寄付品は、全国こども食堂支援センターむすびえの他、新宿社会協議会、株式会社リジョブ、東京新聞四谷販売センター、東長寺檀信徒、おてらおやつクラブ、あすなろ工房など、8つ団体から頂戴することができた。しかし、寄付品には日常使いの食品が少なかったため、米、乾麺、調味料、野菜を購入し、1回あたり20キロ100サイズの量で宅配業者を使って発送した。
活動日数 25
支援対象者実人数 87
支援対象者延べ人数 478
参加ボランティア実人数 11
参加ボランティア延べ人数 48
本助成金による活動の成果
利用者からは、「毎月お米や食品が必ず届くことがありがたかった」、「食品が手元にあることで、コロナによる先行き不安はあるが、明日食べる物はあるという安心感が生まれた」、「不安が減って、経済状況の悪さに立ち向かうため、より家賃の安い物件に転居する行動に出れた」、「親や親類も頼ることができず、親子で孤立していたが、実際にはもらったことのない実家からの仕送りをもらうようで、自分を支えてくれる人がいると思えると嬉しかった」などのコメントを得ており、まとまった量の日常使いの食品が手元にあることが、実際の食生活を支えたのみならず、不安感も軽減させたことがうかがえた。また、活動参加団体の1つである新宿こども食堂たんすまちが利用者を対象に行った生活状況のアンケート調査では、2020年6月に行った時点では「暮らし向きが悪くなった」と答えた家庭が55.6%だったのに対し、宅配を2回終えた11月末の段階で38.9%に低下した。また、開催日に自分で食品を取りにくるパントリー事業では、登録家庭のうち大抵1、2割の家庭が、パートのシフトが入ってしまったり、こどもが発熱した等で開催日に参加できないことがあったり、小さい子や障害児の手を引いてくる場合には米などの重量物を持ち帰れないことがあるが、宅配の場合は確実に困窮家庭に食を届けることができた。また、実際に運営して実感したことだが、離婚調停中で身を隠しており他人に住所を知らせたくない家庭や、経済的DV家庭であっても、宅配業者のセンター留め置きサービスや、駅ロッカー配達などを利用して食品を受け取ってもらえるため、想定よりも幅広い方に利用してもらえた。
また、毎月確実に利用者に届ける仕組みがあることから寄付を集めやすく、購入した食品724,487円分に寄付品432,188円分を合わせて、合計1,156,675円の食品を送ることができた。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
宅配送料がかかる取組ながらも、障がい児や医療的ケアを必要とする子どもを育てている家庭、多児を持つひとり親家庭、日本語が不自由な移民家庭、経済的DV家庭、夜の仕事をしている家庭など、より支援を必要とする家庭に確実に食を届けることができることが明らかになった。そこで、2021年度も引き続き宅配事業を継続できるよう、2020年12月から複数の助成金に応募を続けている。しかし、現状獲得した助成金は65万円しかなく、年間で必要な額の3分の1しか獲得できていない。また、コロナ前まで運営していたこども食堂とは異なり、発注・検品・不足品の追加購入・寄付品の調整・不在時の返品対応・配送時の事故対応・ファンディングと広報などが常時発生するため、事務局メンバーの生活を圧迫した。またコロナ下でボランティアの安全を確保し、会場を仕分け会場を無償提供してくださるお寺にウイルスを持ち込まないために、感染対策の見直す必要が複数回生じた。会場の消毒作業を徹底して行ったため、予算計上時以上に衛生用品を購入する必要も発生した。上記の反省から、今後はファンディングと広報を担当する常勤職員を雇用できる体制を整えたく、法人格を取得することも視野に入れ、運営基盤の強化を図りつつ宅配事業を継続させていく。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/kodomoshokudo.shinjuku