都道府県 鹿児島県
助成額 781,748円
活動開始日 2021/12/1
活動終了日 2022/12/28
助成金で行った活動の概要
不登校児童生徒に向けて、本市には今まで無かった第3の居場所としてフリースクールを開設し、日中の活動を行い「どこにも居場所がない」「学校に行けてない」という不安をやわらげ安心出来る環境を用意した。不登校状態になることで孤独感を抱えがちな子どもや保護者と同じ思いを共有し、状況を改善するための仲間や場を作ることが重要であった。「誰かと繋がりたい」「自分だけじゃないんだ」「何かやってみたい」という気持ちに合わせた活動としてボードゲームでの交流や、地域で活躍している方を講師としてワークショップをしてもらったり、オンラインを使った活動や交流なども提供した。趣味や好きなこと、出来ることからだと元気になりやすく、そうして元気になった先に行動範囲が広がったり、進路や進学などが見えてくるということなど、実践しながら保護者や周囲の大人にも根気強く伝えることも行った。また家では作り置きや孤食のときもあるので、コロナ禍での配慮をしながら、お昼は毎回作ってみんなで食べる機会を作った。時々お手伝いをしてくれたり、同じテレビを見ながら談笑したりと和気あいあいとした雰囲気で過ごせた。だんだんと食欲が増してよく食べるようになった子もいた。不登校状態のときは季節のイベントも楽しむ機会も減ったので大事にしたいというスタッフからの提案で、季節に合わせてお菓子作りをしたり、流しそうめんをするなども行った。おにぎりをそれぞれ握って食べる「おにぎりの会」も好評だった。ボランティアには若い20~30代の子達が入ってくれて趣味の海外旅行の話や、子ども達と同じ趣味(アニメやゲーム)の話や、仕事や人生の失敗談などもコミカルに話してくれたりして良い関係性を築いてくれた。
活動日数 102
支援対象者実人数 8
支援対象者延べ人数 53
参加ボランティア実人数 4
参加ボランティア延べ人数 59
本助成金による活動の成果
スタートアップの1年間を支えて頂いた。年度が替わることで退所していく子もおり利用者が減少した時期もあったが助成により閉めることもなく続けることができ、その間コンスタントにSNS等で発信していくことでWEBからの問い合わせや口コミ等で秋口からの利用が増えていった。特に福祉や医療関係者からの繋がって来る子もおり「今までは繋げる場所がなく家庭で抱え込んでいた」という声もそうした現場から聞くことがあった。島外からの問い合わせも3、4件ほどあり、自然の多い田舎での居場所に期待されていることもあると感じた。不登校状態になることで自己否定や罪悪感が強く出て、好きなことや好奇心、探求心が失われてしまうこともあると感じているが、子ども達の中には長く通ってきているうちに好きなことにまた取り組むことが出来たり、そこから次の活動へ繋がることなどもあった。また少しずつ元気になってきたことで1日だけではあるが自ら登校してみたという子もいた。通うことは出来なかったが見学時に他の子が過ごしている様子を実際に見て、家庭での様子が変わったという報告もあった。何より面談の時にはうつむいていた子ども達の笑顔がだんだんと増えたことなどは純粋に嬉しく感じる。継続的に開所出来たおかげで、福祉・医療関係者からの紹介や問い合わせも増え、また先生方の中にも進んで連携を取ってくれる方もおり、不登校児童生徒を支える環境づくりが進んでいくことを今後も期待したい。スタッフが子ども達と同じ目線で関わってくれたことも、とても効果があり「大人になるのが不安だったけどもスタッフさんのようにもっと気楽に明るく社会人になっていいんだと分かった」と教えてくれた子もいた。不登校に至る過程で大人や社会に不信感や諦めも持つ子も多く、そこを払しょくすることもとても重要だと思っていたので、このような声が聞けたことで開設した意義があったと感じた。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
居場所を作ったことで外に出るきっかけを作れた子や元気を取り戻してきた子もいるが、まだまだ通うことが難しい子や家を居場所としたい子もあらためて見えてきた。親子だけで抱えてしまうのではなく、第3者との関わりがあると楽になることもあるため、今後はアウトリーチやインターネットを使ったアプローチなども考えていきたい。また週2までだと居場所としてはちょうど良いのだが、もっと踏み込んだ活動や学びを行いたいと思ったときは時間が足りなく、中途半端な活動で終わってしまうこともあった。もう少し開所できたなら、活動の連続性や幅広い活動にも取り組めるのではないかと感じている。週1/月4回でも大きな変化が見られるので、平日いつでも開いてるのであれば週2、週3と少しずつ回数を増やし、徐々に慣らしていくことも可能ではないかと考える。しかし毎日開催だとどうしても運営費・人件費、保護者への負担の問題が出てくるので、今後はどう持続可能な運営にしていくか考えていく必要がある。行政などにも支援等について働きかけていきたい。またボランティアについて、親身に寄り添って定期的に関わってくれるボランティアが見つかったりと良い面もあったが、やりたいと言って参加した人でもどうしても眼差しが子ども中心でなく、かえって子どもの気持ちを傷つけてしまう人もいたので、事前の研修をしっかり行うことや、もっと不登校や子どもの人権についての理解を深める必要がある。子ども中心で一緒に活動していける人材発掘と人材育成も今後の課題として取り組んでいきたい。個々のケースワーカーや支援員、SSWと話はしているが、福祉や医療の力も必要であるので行政や関係機関とも連携を取り、協働の体制を作っていきたいと考えている。しかし大前提として大人がいいと思うものでなく、子ども達がいいと思う活動・居場所になるように取り組んでいきたい。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://freeschoolmine.amamin.jp/e809724.html
https://www.facebook.com/amami.mine/posts/pfbid02jufihLbpo7H95Wiej8Vega51W5rwzQ35xGK72Hd56ryWUgsCdwH6BN9XidWt1Rpol
寄付してくれた人へのメッセージ
この度はご寄付を通じて本事業を支えていただき誠にありがとうございました。不登校は個人の問題とされがちで、それに対する支援や理解、助成なども足りていないのが現状です。さらに当団体のある離島ならではの困難さもあるのですが、そうした状況を少しは変化させるきっかけを作れたと思います。全国的にも毎年不登校という形でSOSをあげている子どもが増え続けているなか、私達大人に課せられているもの、突き付けられているものは何なのか。具体的に支えていくためにはどう活動していけばよいのか。これからも真摯に向き合ってこの課題に取り組んでいきます。