団体名 特定非営利活動法人永弘会

都道府県 山梨県

助成額 1,555,500円

活動開始日 2021/12/3

活動終了日 2022/12/25

助成金で行った活動の概要
新型コロナ感染拡大により、ひきこもり等の生きづらさを抱えた方への居場所支援の実施。①たき火活動(毎月第二第四金曜日18時~20時)社会参加の回避が長期化し社会生活の再開が著しく困難になってしまった状態の方に対する社会との関わりを再構成するためのきっかけづくり。豊かな自然の中で外の環境に慣れ、外出する理由を提供するための居場所支援。②たき火会場開放日(毎週土曜日10時~17時)平日開催である①たき火活動に参加できない方向けの居場所支援。日中開催であるため早い時間での参加を希望する方が多く利用した。また、たき火活動に必要な草刈り等の準備や環境整備を行った。③農業体験(毎週金曜日13時~15時)運動不足解消と他者との交流を目的とした農業体験。出荷による収益を目的とせず、長期的な農作による継続的な参加を促す。④空き家を活用した緊急避難環境の整備(月1回開催13時~16時※当事者希望によって日時変更あり)相談支援を受ける際、自宅や当法人事務所では居心地が悪い、他の人の目が気になるといった方向けの避難環境の整備。静かで閉鎖された安全な空間を提供する。⑤当事者会や集いの開催(月1回開催13時~17時※当事者希望によって日時変更あり)他者との交流を提供する集いの開催。一人で悩みを抱え込むことなく、周りに相談する場所を提供。

活動日数 123

支援対象者実人数 43

支援対象者延べ人数 397

参加ボランティア実人数 7

参加ボランティア延べ人数 83

本助成金による活動の成果
本事業の実施により外出するきっかけづくりを提供することができた。今回新たに参加した当事者の多くが複数回利用し、他の支援機関が実施するイベントへの参加や就労活動へつなげることができた。また、当事者だけでなく普段日常的に支援している家族から外へ連れ出してくれて自由な時間の確保や、安心して任せることが出来たという声をもらうことができた。ひきこもりや障害といったさまざまな属性を持つ方々が悩みを共有することで、不安を分かち合う居場所の提供をした。その結果、悩みを抱えているのは自分一人ではないと考えるようになり、孤独感が軽減されたように見受けられた。支援団体としては、コロナ感染拡大によって今まで行政機関等が受けていた訪問やイベント等の公的支援が無くなり困っていた当事者及び家族に支援を届けることができた。当法人の居場所支援を過去に利用された方からの口コミによって参加される方が増加し居場所支援の周知につながった。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
孤独孤立を抱えた方と社会との関係調整において、外出までにもう一歩という方への働きかけとして、今回実施した居場所支援は効果的であったが、自立や継続的な就労といった次のステップへの働きかけに結びつく体制づくりが今後の課題であると感じた。家から一歩出ることに慣れてもハローワークや他の支援機関と新たに関わることは、また別の壁があり、柔軟な他の機関との連携が必要であると考える。その際、当事者が医療機関や就労に係る支援機関に赴く選択肢以外にも、担当者に当法人が実施している居場所支援に来ていただくことも検討したい。実際に今年のたき火活動には地域で福祉的活動を行っている医療従事者の方に参加していただき、専門的な内容も含めて気楽なやり取りを行うことができた。当事者としても病院での相談だと緊張してしまうが、環境を変えることでリラックスして相談することができたとのこと。今後、多機関との連携により当事者の状況に応じた選択肢を提供できる環境づくりに取り組んでいきたい。また、科学技術の発達により遠隔で行われることが多くなったが、社会にはPC・スマートフォンに不慣れな方もいて、サービスを使いこなすことができる方とできない方で二極化してしまう危険性を感じた。そのため対面での居場所支援が軽視されることのないよう支援活動を継続していきたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.eikokai.info/act-2022-11-18/
https://twitter.com/EIKOKAI_yorisoi/status/1561889367324782592



寄付してくれた人へのメッセージ
今回ご協力くださいました皆さまのおかげで生きづらさを抱えた方への居場所支援を実施することができました。支援活動を行う中でよく耳にするのが、自分にはひきこもり等の孤独孤立は関係ないという言葉です。実際に自分や家族が当事者になって初めて周りの人々の支援の重要性に気が付くことが多くあります。今後も生きづらさを抱えた方への居場所となれるような活動を継続していきたいと思います。ありがとうございました。