都道府県 福島県
助成額 660,000円
活動開始日 2021/12/1
活動終了日 2022/12/30
助成金で行った活動の概要
①家族からの虐待、DVなどの暴力の被害を受けて家を出た女性、また生活困窮により居場所を失った女性に対し、短期的に利用できる居場所を提供した。入所後数日間はスタッフが共に過ごし、買い物や調理などを一緒に行いながら、安心できる雰囲気つくりを行いゆっくりと心身を休められるように配慮した。一人暮らしの経験のない女性に対しては家事全般、ゴミ出しのルールなどについてもアドバイスを行い自立した生活が送れるようサポートをした。②電話相談や面接相談でつながった相談者に対し、継続的なカウンセリングを行い、抱えている問題を整理したり、自分らしい生き方を取り戻せるよう心理的なサポートを行った。③経済困窮によって生活基盤のない女性に対し、行政の窓口に同行し必要な支援を受けることが出来るよう権利の代弁・擁護を行った。またDV被害を受けた女性や離婚に踏み出せずに悩む女性に対し、裁判所や弁護士との打ち合わせ等に同行し、安心して自分らしく生きるための権利を行使できるように代弁、擁護を行った。④居場所を退所した後も定期的に面接相談や電話相談を行い、孤立を防ぐとともに生活に必要な情報を提供し、地域で安心して暮らせるようサポートした。
活動日数 395
支援対象者実人数 14
支援対象者延べ人数 44
参加ボランティア実人数 3
参加ボランティア延べ人数 8
本助成金による活動の成果
①公的な支援を受けることが出来なかった、あるいはどこに助けを求めていいのか分からず、暴力の被害から逃れることをあきらめていた女性たちが、女性のための居場所パープルにつながったことによって、支配的・暴力的な関係から解放され、安心・安全な環境で心身を休めることが出来た。②孤立無援の状態にあった女性たちが、他者との関係性を再構築したことで自分が本来持っている権利や、支援を求めることは甘えや弱さではないということに気づき、社会とのつながりの大切さを感じることが出来た。③女性相談の経験と専門性を活かしたカウンセリングを提供することで、これまで自分を責め続けてきた女性や無力感に苛まれてきた女性たちが、自分の悩みの背景にあるものが固定的な性別役割分業の影響であることや社会的な性別格差によるものであるという視点を得て、自分自身の存在を肯定的に受けとめるようになった。④相談につながった女性たちが、一人の大切な存在としてケアされる経験を通して心身の安心・安全感と被害から回復する力を取り戻し、主体的に自分らしい生き方を模索し始めた。⑤他団体、他機関と情報共有することによって地域社会に必要な支援、不足している支援について課題を共有することが出来た。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
1.~より快適で不自由のない環境整備~居場所には必要最低限の家具や布団、タオル類の生活用品は整備してあるものの、荷物を持たずに避難された方にとって衣類や下着をはじめ、化粧品などの身支度に欠かせない物品も揃えて置く必要があるだろう。また、米や調味料、冷凍食品など備蓄はしてあるが生活困窮で避難された方にとっては、食費の捻出もままならない状況であり、継続的に利用できる食糧支援の活用が必要である。2.~安全の確保とリスク回避のための対策~入所されている方が服薬されていたり、通院の必要がある場合には、主治医との連携も必要であり、ご本人の健康管理にも注意を払わなけれなならない。体調の急変や心身の不調への対応も事前にスタッフ間で共有しておく必要がある。また避難している場所について加害者には当然知られないようにしなければならないため、リスクを回避するためにも地域の警察との連携をはかる必要がある。3.~様々な困難を抱える女性支援~被害からの避難を望む方の中には、残念ながら居場所への入所に至らなかったケースもある。例えばペットとの同居を望む方、家族に居場所を知らせずに家を出ることが出来ない方、介護を必要とする親と同居している方など何らかの事情があるために家を離れられない場合も多い。避難する居場所があるだけでは問題の解決に至らない現状に対し、柔軟で多様な支援の在り方を官民連携して検討していくことが必要である。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02KXcg9CHxGUPsSwCCsSDCochaViVXSRh5SRMWXMLYBvJb6YBeUiaeodGBefvYJzmel&id=105386854843417
寄付してくれた人へのメッセージ
長引くコロナ禍でDVや虐待、生活困窮に苦しむ女性からの相談が増加したにも関わらず、既存の法律では支援の対象とならない方たちが苦しみ続けている現状を何とかしたいという思いで「女性のための居場所パープル」を立ち上げました。避難した女性たちが、暴力の被害から逃れ、自立への第一歩を踏み出すことができたのは、ご寄付くださった方々のご支援のおかげです。心から感謝申し上げます。自分らしく生きることをあきらめずに、再び社会への信頼を取り戻せたことは大きな成果でした。これからも誰一人取り残さない社会をつくるために、NPO法人ウィメンズスペースふくしまは努力を続けたいと思います。