団体名 特定非営利活動法人トルシーダ

都道府県 愛知県

助成額 2,360,000円

活動開始日 2022/1/1

活動終了日 2022/12/31

助成金で行った活動の概要
1.相談支援活動①日常的な生活や教育などの相談(常時)日々、生活や教育の相談を受け対応した。②ブラジル人臨床心理士による教育、生活相談(月1回 2時間)日本とブラジルとを行き来する子どもを対象とした様々な相談支援活動をしているブラジル人臨床心理士による生活教育相談会を月一回程度開催。通訳を必要としないポルトガル語と日本語で直接専門家に相談できる場を設けた。③銀行職員によるお金・ライフプラン相談(4月19日 4時間)日本語教室で日本語を勉強する大人を対象に、東海労働金庫豊田北支店長による、お金とローン、クレジットカードについての講座を開催。④生活相談会(5月8日 4時間)地域イベントとコラボした食材支援と生活相談会を開催。何に困っているかという簡単なアンケートと、行政職員による個別の相談対応を行った。⑤看護師による生活相談・健康相談・性教育(10月21日 4時間)日本の学校に通っていない外国籍の10代の子どもたちを対象に、健康診断と性教育を行った。⑥生命保険外交員によるお金・ライフプラン相談(10月26日 2時間)主に子育て世帯の大人を対象に、給料明細の見方や社会保険、貯蓄などについての相談会を行った。2.食支援・学習支援・生活支援活動①子ども食堂の開催(1、2、3、5、6、9、10、11、12月各1回+夏休み期間24日間)団地内の公共施設や地域の交流館などを活用した子ども食堂を開催。夏休み期間中は、学校と協力し給食がなくて困る家庭などに個別案内をし、お盆期間を除く平日毎日開催した。②地域イベントへの参加、協力(10月23日自治区秋祭り、10月30日ハロウィンイベント)住民による祭りと、子どもたちのハロウィン仮装行列に協力した。

活動日数 350

支援対象者実人数 223

支援対象者延べ人数 4507

参加ボランティア実人数 51

参加ボランティア延べ人数 196

本助成金による活動の成果
(1)相談支援活動食材支援を通した生活相談は、お米が重くて運べない、足が悪くてゴミ出しも辛いなどと言った毎日の悩みから、独居、生活保護、認知症など、専門機関と連携した継続支援が必要な相談など様々だが、困っている人が助けてと言える関係性を築くことができたことが最大の成果である。住民同士が知り合い食材を譲り合うなど、国籍に関わらず助け合いの雰囲気が生まれつつある。今後もこうした地域に寄り添った支援活動を継続していくことが住民のセーフティネットに繋がることを実感している。子どもの教育について、ブラジル国籍の親子に対しては、専門家に母語で直接相談できる継続的な支援体制を構築できた。入国制限が緩和された時期から、ネパールやフィリピンなどのアジア圏からの入国が増え、生活や学習の相談も増えているが、来日直後に繋がることができているケースが多く、これまでに行政や専門窓口と構築してきたネットワークが活用されていると感じている。大人を対象としたお金の講座は、子育て世帯の関心が高く、活発に質問する様子が見られた。毎月の収支について把握していないなど、生活を守るための知識が不足していることが分かり、今後も継続開催していきたいと考えている。(2)食支援・学習支援・生活支援活動子ども食堂は、家に食べるものがない、孤食等の課題への取り組みとして生活習慣を整え学習意欲に繋げるために開催した。子どもたちが料理をして食べるだけでなく、アートのワークショップに参加したり、宿題教室を併設したりして子どもたちの意欲に繋げた。夏休み期間中には親子参加の会も企画した。保護者からは、自分で調理することで嫌いな野菜を工夫して食べられるようになった、食事の準備や後片付けなどにも関心を持ち、積極的に手伝うようになったなどの声が聞かれた。コロナで3年ぶりの開催となった地域の祭りに子どもたちと参加した。看板作りやお金の計算、必要な日本語会話などを練習し、準備から後片付けまで積極的に担った。いろんな国の住民と日本語でふれあい、他の国の食べ物や和太鼓の演奏などもあり、子どもたちにとっては貴重な異文化体験の場となった。子どもたちのためにハロウィン仮装イベントをやりたいという住民を、企画、運営面でサポートをし、当日はお菓子を配布する係として参加、地元の警察官も写真に収まるなど、和やかでかわいらしいイベントになった。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
来日し、日本で生活する外国籍住民の背景は多国籍化、多様化、複雑化しているが、支援のためのマンパワーは不足しており、人材発掘と育成が急務である。支援する側の知識、経験の不足や通訳の資質、職業意識の有無などにより、適切な支援に繋がらなかったこともあった。また、時には課題が重すぎて相談を受ける側の心身のバランスを崩すケースもあった。これまでの事業を通し、日本語教室はハブ的な役割を担う存在になり得るが、継続した支援事業に取り組むためには、相談員や通訳者のスキル、ノウハウが散乱することなく適切に共有されることが必要であること等を認識した。支援体制が整うことで、適切な情報提供や、行政・専門機関との連携強化が可能となり、結果的に重層的な支援に繋がるのではないかと考える。外国ルーツの子どもたちは、多国籍化しており当団体が支援している年齢層が、プレスクールから学齢超過(概ね6歳から18歳まで)と幅広いことから、持ちこまれる相談は家族の問題から、学校の不適応、学習や進路、経済的問題まで多様で複雑化している。日本語や学習指導について、学校側からの相談も増えているが、関係者等との連携を密にし、子どもたちの背景に寄り添った幅広い支援が求められている。子どもたちをとりまく環境改善については、家にごはんがないという声から、子ども食堂を開催し一定の成果はあったが、孤食や親の雇用形態が二交代制などの理由で親子で会話する時間がない、思春期に入った子どものアイデンティティの揺れや親子関係が上手く構築できない、ヤングケアラーなどの新たな課題も見えてきた。年齢や国籍を問わず、地域住民が地域で繋がれる場を創出し繋がることで、支援する側される側という枠ではなく、お互いに助け合う関係性の構築を目指す。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://torcida.jimdofree.com/%E6%B4%BB%E5%8B%95%E7%B4%B9%E4%BB%8B/%E8%B1%8A%E7%94%B0%E5%B8%82/%E3%81%A4%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%8A%E4%BA%8B%E6%A5%AD/



寄付してくれた人へのメッセージ
ご支援ありがとうございます。TORCIDAは「応援する」という意味のポルトガル語です。私たちは、主に外国籍の子どもたちの日本語教室を通した居場所づくりの活動をしています。日本にいる外国籍の子どもたちが、当たり前に学べる、機会が広がっていく、そんな多様な個性が輝く社会を目指しています。困っているときに「助けて」と言える、顔の見える関係性、繋がりを大切に、これからも活動していきます。「応援」宜しくお願いします。