両親の別居や離婚によりひとり親家庭となった子どもが、離れて暮らすもう一方 の親と一定のルールの下で面会するための支援事業

団体名 特定非営利活動法人東京面会交流支援センター

都道府県 東京都

活動開始日 2023/4/1

活動終了日 2024/3/31

助成金で行った活動の概要
①活動時期 ・年度(R5/4~R6/3)を通じて、毎週火・木・土曜日に無料相談事業を行い、火・ 木・土・日曜日に面会交流支援事業を実施した。この他、他団体との交流会やボ ランティアの支援スタッフに対する研修会を必要に応じ実施した。 ②活動内容 ・無料相談事業~電話や面談により、離婚後の親子関係や面会交流についての 2 相談を受け、支援スタッフが家庭裁判所調停委員の経験や知見を活かしアドバイ スするなど当事者に寄り添った対応をした。 ・面会交流支援事業~支援依頼に対しては父母と個別に事前面談し、面会交流 のルールや支援の目標は支援なしで交流できる「自立」を目指すことなどを説明 し、当センターの方針の周知・理解を求めた。支援合意すれば、支援スタッフ2名 の体制を組み、子どもとの面会交流の日時・場所等を取り決めるための連絡や 要望の調整を行った。また、父母間で葛藤があって直接対面が困難なケースで は、スタッフが子どもの受渡しや交流中には子どもに付添ってキッズルームや近 隣公園で安全・安心な交流が出来るように見守った。 ・交流会や研修会の実施~スタッフのスキルアップのため研修会2回開催し、経 験交流通じた情報共有や課題認識に努めた。また、上部団体の面会交流支援協 議会(ACCSJ)に加入し、PCによるリモートを通じて他の支援団体と6回交流した ほか、ACCSJによる認証団体となるべくスタッフ3名が継続的に研修を受けてい る(年度内5回受講)。

活動日数 190

支援対象者実人数 無料電話相談事業 124人 面会交流支援事業 237件

支援対象者延べ人数 子ども 約260人 父母 474人

参加ボランティア実人数 20

参加ボランティア延べ人数 170

本助成金による活動の成果
・年度(R5/4~R6/3)を通じて支援件数が年間予算200件を上回り、前年度比 18%伸長する結果となった。支援スタッフ2名が当事者に寄り添って支援する姿 勢が評価され、弁護士からの相談や支援依頼が増えたこともその要因となった。 他方で増大する支援ニーズに対して、週末に集中しがちな支援要請を平日への 誘導や日曜日に対応するなどスタッフの工夫にて1カ所しかないキッズルームを 繰り回して利用して来た。 ・また、都で先駆けて面会交流支援コーディネート事業を立ち上げた港区からも、 令和3年のスタート以来当団体が単独受注してきたが、令和5年度も契約を更新 し連続して受注出来た。 ・コロナ禍で開催出来なかった研修会を再開、2回の開催を通じて支援スタッフの スキル向上や共有する理念を確認出来た。 ・民法改正により単独から共同親権へと大きな変革を迎えるが、養育費の支払い 確保とともに面会交流に関して従来にも増して円滑な実施が課題となる。そのた めにも第三者機関として支援団体への役割期待と質的向上が求められており、 法務省のHPで支援団体等一覧が掲載されたほか、ACCSJによる支援団体の認 証制度も発足した。当団体は当初から法務省HPへの意見具申を行ったほか、認 証制度にも他の団体に先駆けて申込み、現在スタッフの研修を受けている。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
・当団体の発足当時は個人寄付に依存するもコロナ禍で活動不足を余儀なくさ れ、財政面で苦戦して来たが、近時は事業の意義が浸透したこともあって民間の 助成金に支えられ事業運営している。今後は、継続的な寄付の獲得のため、 NPO法人として都から認定法人の指定(寄付行為の税制優遇)を受けるべく、令 和5年度より会計システムの導入や専門家による外部監査の実施等申請に向け た準備に着手した。今後3年間での内部体制の整備・強化が当団体の課題となっ ている。 ・共同親権下での面会交流に関しては、法的枠組みの構築と困難事例に対する 行政機関の支援体制が求められていて、当団体もACSSJとともにその整備を関 係先に働き掛けている。具体的には、港区の面会交流支援コーディネート事業を 他の区市に広げるとともに、交流の場として公共施設が提供される様求め活動し ている。しかし、行政による面会交流への理解がまだ進まない感もあって関係先 の反応が乏しく、今後とも地道に働き掛けて行かざるを得ないのが課題と言え る。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://aoitori.bitter.jp/



寄付してくれた人へのメッセージ
・コープみらい組合員の皆さまから頂戴した助成金で、1年間キッズルームの運営 と維持管理を行うことが出来ました。そこを利用してこの1年間で237件延べ500 人の離れて暮らす親子が安全・安心に交流出来ました。中には、キッズルームの オモチャなど気に入って、交流日を楽しみに待つ子供たちもいます。皆さまからの 支援により、居心地よい交流場所を維持出来たことに心から感謝申し上げます。