コロナ禍の休業や雇いどめにより収入が減少した人達のための緊急食支援事業

団体名 フードバンク関西

都道府県 兵庫県

助成額 600,000

活動開始日 2020/5/1

活動終了日 2020/6/26

助成金で行った活動の概要
2020年4月26日から29日にかけて、コロナ禍で収入が激減し、生活困窮に陥った兵庫県在住の一般市民を対象に、フードバンク関西として何ができるかを、臨時の運営委員会を招集して議論し、緊急食支援事業を行うことを決定。 5月1日緊急食支援事業の概要と申し込み方法を当法人ホームページのお知らせ欄に掲載。連休明け5月7日から受付開始。 申し込みメールには、申し込み者性別年齢、家族人数と年齢、緊急食支援の申し込み理由、食品受取後の取扱いとアレルギー対応は自己責任で行う事への同意、の記入を求めた。当法人が宅配で送る食支援内容は、一人当たり、米1キロ、乾麺1袋、災害備蓄食品(アルファー米、缶詰パン)3点くらい、レトルト食品4袋、魚缶詰1~2個、菓子数種類、インスタントスープ10食分程度で、重量は約3キロ、それらを家族人数倍して、ダンボール箱に詰めた。前日の申し込みを翌日には宅配で発送できるよう、事務所スタッフ及びボランティアは総力を挙げて作業にあたった。この期間中、週5日間作業にあたり、1日に30個から80個程度の食品パッケージを作り、同日中に宅配で発送した。 受付開始から12日後の18日、当初用意した食品をほぼ使い切ったので、申し込み受付を中断し、その後の1週間で、企業への協力要請や個人からの食品寄付を求めた。またこの期間に、貴共同募金会の助成金申請も行い、米1トンと魚缶詰約2500個の購入も実施した。幸い、日頃取引のある多数の企業が快く協力して下さり、その後、継続して1000件くらいの食支援ができる程度の食品確保の目途が立ったので、25日から受付を再開した。 6月2週目くらいで、食品の残量と申し込み数の増加程度の見通しが得られたので、6月13日の運営委員会で、次週6月19日24時をもって受付を休止することを決定し、18日、ホームページに公示した。6月19日申し込み終了時点で、申し込み数1214件(世帯)受益者人数は4323人となった。食品の発送は6月26日に終了した。 宅配便の送料を調達するため、5月25日からクラウドファンディングで寄付を募っている。期間は5月25日から7月末日まで。

活動日数 60

支援対象者実人数 4,323

支援対象者延べ人数 17,292

参加ボランティア実人数 18

参加ボランティア延べ人数 500

本助成金による活動の成果
このコロナ禍による収入が激減した、兵庫県内に居住する人達を対象とした緊急食支援を実施する事で、思いがけず多数の支援申し込みがあった。食支援を申し込む理由としては、コロナで失職したが求職活動が出来ない、休業による収入の激減、パート勤めをしていた母親が子供が在宅しているので仕事に行けない、夫も子どもも自宅で食事をするので食費の増加に困っている、父母共に仕事が減り収入が激減した、自営で収入ゼロ、等々、いろいろな形で生活困窮が拡大している様子が読み取れた。また、30代の両親と小学生が複数いる子育て世代からの申し込みが最も多くなった。テレビでの情報拡大、新聞等に掲載されたので、情報は広く拡散したが、地縁的なつながりが残る地域で情報が口コミで伝わり、その地域からの申し込みが多くなるといった現象もみられた。ひとり親家庭からの支援要請が多くなることを予想したが、全体の32%に留まった。 食支援の効果としては、子どもに毎日1食しか食べさせられないので支援を依頼してきたり、他の固定費は減らせないので食費を節約せざるを得ず子ども達に十分な食事をさせることが出来ないという深刻なケースも多々あったので、そのような世帯に1回限りではあっても、数日間の安心を届けることが出来た事は大きな成果と考えている。また、そこまで深刻でないケースでも、コロナ禍で先行きが見えない中、食品パッケージが届いた事は「大変な時に手を差し伸べられて気持ちが和らいだ」等、精神的にほっとできる機会を多くの対象者に作れた事は成果とできる。さらに、市民レベルでフードバンクを知る人が少ない中、フードバンク事業を多くの人達に直接的に認識していただけた事も大きな成果となった。今後、一般市民が一時的に困窮状態に陥った場合にSOSを出せるところがあるという事を多くの人達に周知できた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
今回の緊急食支援においては、フードバンク関西は、支援申し込み者の収入や失職等の事実確認を客観的にすることが出来ず、支援要請理由は申込者の自己申告をそのまま受け入れた。それは、誰でも申し込みできるという長所にもなるが、当法人が想定した「その日の食べ物にも窮している対象世帯」に届いたかどうかは見極める手段がない。次回、同様な機会があった場合、民間団体が、支援対象者にどのようなフィルターを設定することが出来るかは、課題として検討する必要がある。今後、コロナ禍は簡単には終息しない事が予測され、7月の大雨被害も大きいので、失職やパートの雇い止めにあった人達、自営業で休業を余儀なくされた人達が、半年後、さらに厳しい状況になっている事が懸念される。フードバンク関西としては、次の企画として、12月に小学生以上の子どもが一人以上いるひとり親世帯に対し、「年越し食支援」を実施する方向で企画を立てる予定。この場合は、兵庫県内あるいは神戸市内に居住する、一人親医療費助成制度の対象者(マル親医療証を所持している人)としたいが、神戸市内だけでも4万世帯以上である事から、その中で申し込みのあった世帯(こちらの活動能力も限られているので、初めから申し込み順の一定数までと限定する)を対象とし、一人親医療費助成制度の証書(マル親医療証)を所持しているか否かの確認を申込書に盛り込み、実施できるかどうかを検討する。食品の確保については、今回の協力企業が非常に協力的であったことから、「社会全体で子育てを支援する」という事を広く社会にアピールして、協働できる企業や団体を募っていく。 

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/foodbankkansai/posts/3093759387370930