新型コロナウイルス禍における食糧確保困難者のための食糧貯蓄・集配事業

団体名 フリースペースたまりば

都道府県 神奈川県

助成額 830,000

活動開始日 2020/3/1

活動終了日 2020/8/31

助成金で行った活動の概要
■1.3月~6月  週2回、公益社団法人フードバンクかながわへフードドライブ商品を含めた食糧の集配を行った。 毎回、段ボール約20個分を当法人の2つの拠点に分配。こちらは主に米を含む常温保存食品であり、飲料、菓子類、缶詰、インスタント食品などである。 別途週月1回、日本ケンタッキー・フライド・チキンより、冷凍のオリジナルチキンを寄贈していたくこととなり、これらはたんぱく質源として子どもから大人まで好評を得ている。 当法人が運営する施設に備蓄をして、手渡したり郵送したりして利用者に必要な食糧を届けた。 食糧を必要としている人へ届けるのはもちろん、当法人では「一緒に作って一緒に食べる」という心の栄養も大切にしてきており、毎日約30人の昼食を提供している。寄贈された食糧をもとにスタッフと子どもがメニューを考え、季節や行事に合わせた食事を提供し、 フリースペースや、就労支援の場に集まる子ども、若者、保護者などとともに食卓を囲むことで豊かなつながりが生まれた。 緊急事態宣言を受けて、休校となり給食が食べられないこどもたちにとって、安全安心の食支援の場所が継続できたことはありがたいことだと思う。 また就労支援を行っている施設においては食を通したコミュニケーションの実践を行っている。 ■2.7月~8月 上記活動に加え、当初から計画のあった「コミュニティカフェ」として開設を準備していたスペースを備蓄倉庫と食支援拠点とする事業化に着手した。この場所は6月まで新型コロナウイルスの影響で改修、改装が滞っていたが7月より稼働をはじめた。 週に3日、専任の職員が入り7月からテスト期間として従来から保有していた冷蔵庫を利用し、寄贈品の備蓄拠点としてスタートして、近隣の住民の人への告知を行い少しずつ周知がされてきた。 もともとは食支援だけでなく、居場所支援をしていく拠点して準備していた場所であり、この場所が食を通した地域のひろばとなっていくことを目指している。 当初は毎回10名程度の支援ができることを目指していたが、より多くの人に支援のネットワークに入っていただくため、8月に当初の予定通り大型冷蔵庫を購入し、食糧の在庫管理をしていく整備をすることとなった。

活動日数 24

支援対象者実人数 80

支援対象者延べ人数 480

参加ボランティア実人数 8

参加ボランティア延べ人数 48

本助成金による活動の成果
 当法人は学校や家庭・地域の中に「居場所」を見出せない不登校の子どもや高校中退の若者たち、およびその親たちの緊急避難の場として始まり、現在では年齢・学歴・障がいの有無などにかかわらず多くの人たちの「居場所」となっている。行政や他の民間団体との協力・連携をはかりながら、地域社会づくりを推進。子どもの「いのち」を真ん中におき「子どもの最善の利益はなにか」を問い続けている。 コロナウィルス流行による緊急事態宣下においても、閉鎖することなく居場所を開き続け、毎日「共に作り共に食べる」食事提供を持続してきた。  今回の助成金によって、居場所を持続していくこと、食糧の供給量が増えること、本当に困窮している人たちに必要な食糧と情報を提供できたことは大きな成果となっている。 具体的には昼食を共にする子ども、若者、その親たちのコロナ禍で険しかった表情がみなで共に食卓を囲うことでやわらいでいった。居場所まで出てこれない若者たちから「郵送された食べ物が助かった」ななどの声が寄せられた。  また、新しい拠点を「えんくる」と名づけ食品倉庫として整えることで、更に大規模な食支援のネットワークを広げていく可能性が見えてきた。多くの拠点で「食支援」を機能することにより、更に多くの人の命を救うことができると確信し、新たな取り組みにチャレンジしていきたい。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
 この事業を通して、「かわさきこども食堂ネットワーク(KKSNW)」と連携することとなり、以下のようなヒアリングをした。 こども食堂に注目が集まり、企業から全国規模の中間支援組織を通じて寄贈品情報が送られてくるが、1回の寄贈量が非常に多い場合がある。常温保存品であってもKKSNWとしての保管場所がないため、市内のこども食堂への再配分等に躊躇することがあり、寄贈の申し込みを断念することがあった。冷蔵・冷凍保管が必要な寄贈食品はなおさらである。 市内のこども食堂の約80%が市民団体の運営であり寄贈品の一時的保管場所は代表者の自宅であることが多く、保管する量には限界がある。緊急事態宣言中はこども食堂の運営を断念した団体が90%で利用者への食支援や居場所の機会そのものが失われている状態であった。 収束の見通しがつかないwithコロナの社会の中、食支援を必要としている対象者に十分な食料が届かない状況が続くこと、コロナ禍の状況が悪化し、休校となれば給食がなくなるリスクも懸念している。さらに、子ども食堂は食べる場所だけなく、孤立をなくし人と接する場でもある。このような地域に根差した居場所が失われることは子どもやその家庭の社会的孤立を増長させる。 以上を解決するためにKKSNWと連携し、市内のこども食堂や個人に必要な食材を提供するハブとなるパントリー機能を整備し食支援のネットワークを構築していく必要性を強く感じている。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/encru.tamariba/posts/149720886820919