都道府県 福岡県
助成額 990,000
活動開始日 2020/3/1
活動終了日 2020/8/31
助成金で行った活動の概要
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、雇止めや、休校措置に伴い職を辞すシングルマザーなど、食べ物を必要とする経済的困窮者が急増した。一方で、給食材料や食材、お土産物など、行き場のない食品が突発的に大量発生をした。フードバンク福岡では、行政の緊急支援や、シングルマザー、アルバイト先を失った大学生、自国へ帰れない外国人留学生等への食品支援拡大を行った。また、学校再開に伴い、一時的に中断をしていた子ども食堂は、一部を除きいまだ再開の見込みがないものの、おやつや食品配布などを行って子どもの安全確認をしているため、こうした子ども食堂・子どもの居場所への食品提供が増大した。
一度で大量の食品提供は、行政や大学、日本語学校が挙げられる。古賀市(5月14日,15日,17日)、福津市(4月30日、5月1日)への食品提供を行い、就学支援を受けている家庭(古賀市450世帯、福津市382世帯)への食品配布となった。また、福岡県内の4大学(久留米大学、西南大学、中村学園大学、精華大学)あてに食品提供を行うとともに、留学生支援団体1団体、日本学校に通う留学生支援団体4団体へ支援を行った。こうした大量支援は、約7トンに上った。大学が行った食品を受け取った学生へのアンケートでは、「食費の負担が軽減されたため、野菜や肉を買うことができて助かった」「アルバイトがなくなり、頼る人もいないため一日中家に引きこもっていたが、食料をもらって希望が湧いてきた」「食事の回数が増えて、ストレスが減り、空腹で生活に支障をきたすこともなくなった」という回答があった。
令和2年3月~8月までの食品の入荷量は、3月8.5トン、4月10.9トン、5月8.9トン、6月18.8トン、7月12.4トン、8月13.2トン、総計72.3トンであり、ほぼ前年度年間の食品取扱量に匹敵した。そのため、近隣に倉庫をずっと探していたが、結局見つからず、エフコープ生活協同組合の宗像支所及び久留米支所の常温・冷蔵・冷凍の倉庫のほか、仕様ができる倉庫を事情を話してフル活用させていただき、しのぐことができた。自団体の車では運搬量が足りないため、日を決めてレンタカーを借り、大量の食品を久留米-福岡市-古賀市を何度か往復しながら搬送した。インフラの効率的な活用は、アドバイザーの意見を活用して行った。しかし、現在も食品の入・出荷は大量であるため、引き続き倉庫を探しているところである。
活動日数 102
支援対象者実人数 5,082
支援対象者延べ人数 76,734
参加ボランティア実人数 24
参加ボランティア延べ人数 683
本助成金による活動の成果
今回のコロナ禍で、デパート、お土産物店、公共施設内の食品売り場、学校給食の食材など、食品ロスが突発的に大量発生をした。従来の食品の搬入・搬出では到底取り扱うことができない量の食品であったが、一方で、食べ物を必要とする人々が多数人に及び、そうした方々へ施設や地域の民間団体が、自主的・積極的に食品配布を行った。行政や窓口、施設や団体から「食品の提供をお願いできないか」と問い合わせがひっきりなしに起こったが、大量の食品提供にも応じることがことができた。これまで子ども食堂・子どもの居場所や子ども関係の団体との関係性を生かし、子ども関係団体が主催する子どもや子どものいる家庭への食品配布を支援することができ、家計への負担軽減のほか、子どもたちへの見守りを継続的に行うことにつながった。また、行政と連携した子ども関係団体でグループが、就学支援の家庭への大量食品配布を実現することを実現することができるよう支援した。集中的に食品の運搬、配送、配布を行い、極力倉庫に食品を滞留することを避け、計画的に倉庫管理を行うことで、多くの人々の食品提供支援を実現することができたことが、大きな成果につながったと考える。
多くの団体から、感謝の手紙を頂いたり、アンケート調査の結果から感謝の言葉を頂いたりした。フードバンクが、多くの人々の命をつなぐ大切な活動であることと、食べ物に困っている人々の命を救いたいというたくさんの人たちの気持ちを実現化し、潜在的な市民力が顕在化することとなったと感じている。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
フードバンクは社会を底支えする大事な活動であることを痛感する一方で、新型コロナウイルスの前に、本来行政が行うべき支援が行き届かないことを感じた。初めてのことだけに混乱したとは考えるが、NPOがすること、行政が本来行うべきことの違いを、今一度よく考えていただきたいと考える。もちろん努力は惜しまないものの、私たちNPOができることにも限界がある。 今後、次の感染症拡大の波に備え、倉庫を本部事務所のそばで引き続き探す準備をするとともに、企業への支援をお願いし、中間地点での食品の保管やボランティアを協働していただけないかアプローチを行う。また、新型コロナウイルスに関しては、まだまだ油断ができないため、今後もできるだけ食品提供の要望の応えるべく、助成金の申請を注意して行っていきたいと考える。 さらに、地域や合意書を締結している子ども食堂・子どもの居場所を食品配布拠点とし、効率的かつより多くの人々へ食品提供が可能となる仕組みを構築する。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/foodbank.fukuoka/photos/a.1007593102593846/3648841255135671/?type=3&theater