DV・虐待被害者、生活困窮女性のための常設のオープン・スペース活動と包括的自立支援事業の一環としてのフードバンク・パントリー事業

団体名 くにたち夢ファーム

都道府県 東京都

助成額 300,000

活動開始日 2020/3/5

活動終了日 2020/8/31

助成金で行った活動の概要
 くにたち夢ファームはDV・虐待・生活困窮など、様々に困難を抱える女性たちが自分のための人生を自分の手で切り開き自分らしく生きていけるよう、地域で寄り添い支援することを目的として活動しています。  ケア付き(警察・裁判所・役所などへの同行、生活保護受給支援、就労支援等)住居と、女性の居場所として地域に開かれた常設のオープン・スペース「Jikka」をもち、講座や学習会、お楽しみ会など様々なイベント(現在はコロナ禍のため20年4月よりすべて中止)と、包括的自立支援事業の一環として、食の支援である子ども食堂とフード・パントリー事業(感染対策を取りながら継続中)を行なっています。  コロナ禍と共に、くにたち夢ファームへの相談件数が、本年(2020年)3〜5月にはそれまでの月平均10件程度と比べ倍増となり、6月以降は5〜6倍、さらに8月は8倍強の80件を超える数(延べ数)となっています。  これはStay Homeの影響で家族の関係がいきづまり、家が安心できる場所でなくなった女性たちからのSOSです。日本全国、そして海外からもメールや電話が相次ぎました。被害は夫からのDVに留まらず、親子・きょうだいの間でも起きています。  自治体等の相談窓口も、コロナ対策で、時間が短縮されたり、電話相談のみにしたりといったこともあって閉鎖や短縮をしない民間団体への相談が急増したという背景も考えられます。  この圧倒的な支援要請にケア付き住居を増やす必要性を感じ、カリタスジャパンのコロナ関連支援助成金を申請し助成を受けて、7月に近隣に3箇所のアパートの部屋を確保しましたが、2週間のうちに全て埋まってしまいました。新たに入居した利用者さんたちへの支援も、最低限の家具やカーテンなどの調達、ご本人が調停に向け弁護士と相談する間のベビーシッター等々、待った無しで始まりました。  そんな支援活動が引き続く中で、食の支援については、くにたち夢ファームの利用者さんたちだけでなく、地域の生活困窮者へ向けて6月〜8月限定で週1回土曜日のランチのみでしたが子ども食堂を開催できました(国立市の助成を受けました)。そして月に2回だけとはいえ、赤い羽根の助成を頂くことで、フード・パントリーで無償でお米・レトルト食品・缶詰類・菓子などをお渡しする活動が滞りなくできましたのは、ほんとうにありがたく、大きな支えとなりました。

活動日数 11

支援対象者実人数 32

支援対象者延べ人数 182

参加ボランティア実人数 6

参加ボランティア延べ人数 8

本助成金による活動の成果
くにたち夢ファームは地域に開くオープン・スペース「Jikka」のコミュニティ・カフェ(月〜金)運営の中で、毎月第2・第4月曜日をフード・パントリーの日としています。  20年3月〜8月の間に月2回(休日とぶつかった時は休み)11日間、開催致しました。この間、直接食品をお渡しした生活困窮者は、実数で32人。述べ数で182人となりました。3・4月ごろと比べ7・8月はお渡しする世帯が6割ほど増えました。増えた困窮世帯に対応できたと考えています。  くにたち夢ファームの相談員はもちろん、公的および他の民間の生活相談の相談員さんたちからの紹介状があることを条件として食品をお渡ししています。その場限りでない継続的な支援とするには、身近な地域で生活の相談ができる環境を持って頂くことが大きいと考えています。生活の困難さは、食を支えるだけでは解決しません。生活困難の背景には、借金、心身の障がい、破綻した家族関係、生計管理の能力不足などあらゆるトラブルが横たわっています。人と関係をつくるのが難しい人たちも多いです。  食の支援だけでは足りないのですが、食の支援は大きな一歩です。お金がなくなると人は最初に食べるものを切り詰めてしまいます。そしてお腹が空いたままでは前へ進めません。  支援が地域の中に存在すると、利用者も同じ地域の生活者としてフード・パントリー当日の仕分け作業などのボランティアに駆けつけたりなど貢献できることもあり、支えあいながら地域を作る仲間になっていけます。自信も生まれ人生のやり直しに向けて動きだします。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
 くにたち夢ファームのオープン・スペース 「Jikka」 が、拠点として受け入れ配付できる食品の量には場の広さの関係で限度があります。だんだん利用者が増えてきており、限度を超えて来た場合には食品のお渡しについて何らかの制約を設けていくのか、近隣他地域のフード・パントリーを紹介するなどの対応がどのように可能なのか、そろそろ検討を始めなくてはなりません。  くにたち夢ファームは団体として、セカンドハーベスト・ジャパンが主宰するフード・セキュリティ・ネットワークに属しており、東京都内〜中央線沿線の食の支援団体との定期的な会合にも参加しています(現在はオンラインです)。他団体からの知恵やノウハウ、そして協力を得て、必要な食の支援を継続していけるよう模索してまいります。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://m.facebook.com/permalink.php?story_fbid=683734525553492&id=164420170818266