都道府県 東京都
助成額 890,000
活動開始日 2020/6/1
活動終了日 2020/8/31
助成金で行った活動の概要
苦しい経済状態で子育てをするひとり親家庭の家計負担を軽減し、特に日々の生活や子どもの成長に不可欠な「食」の面で、親子の健康や生活状況を改善・サポートするとともに、ひとり親家庭が抱える困難への理解と支援の輪を広げ、ひとり親家庭の孤立を防ぎ、将来への希望と活力につなげることを目的とし、広く一般の法人や個人から寄付された食品をひとり親家庭に無償で配付する。対象者は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県に居住する「ひとり親家庭等医療費受給者証(通称マル親医療証)」所持者(18歳以下の子どもを養育する所得が限度額未満かつ生活保護を受けていないひとり親家庭)。
2017年より国内の子どもの貧困対策として取り組んできた当団体の事業だが、新型コロナウイルス感染拡大による学校や園の休業、経済活動の停滞、新しい生活様式の必要性に伴い、要支援者が大幅に増大したため、事業の体制強化が急務になった。
急激な需要増加に応えるため、2020年6月以降は通常の最大配付世帯数165世帯を200世帯まで増やし配付を実施。また事業に従事する人員の安全確保のため、平時は欠かせないボランティアスタッフの受け入れを縮小し、有給職員を中心とした最小限の人員で活動を行った。
一時は減少した感染者数も緊急事態宣言解除後に再び増大したため、情勢によって随時判断し、当活動の従来方式である「対面配付」(支援対象者が直接来所し、食品を手渡しする方式)と接触機会を抑えた「配送方式」とを切り替えながら実施した。
対面方式の食品配付時は、受付場所を室外に設けて来所者全員(支援対象者、スタッフ)に入室前の検温を行う、配付場所の室内が密にならないよう来所時間を分散する、会話を極力避けて短時間で食品を渡す等の対策を講じた。また特に感染者数が増大した時期には対面配付を中止し、配送に切り替える判断をして安全を重視した。
助成期間中、延べ678世帯1798名(うち1120名の子ども)に食品を支援することができた。
活動日数 66
支援対象者延べ人数 1,798
参加ボランティア延べ人数 18
本助成金による活動の成果
新型コロナ感染拡大の影響が長引くにつれて、食品支援の需要が急増する中、当事業は特に人員、資金等の面で従来の運営体制では十分に対応できない状況にあった。本助成を頂くことで、無償ボランティア受け入れの縮小等による活動人員の不足を補い、職員の安全を確保しつつ活動を継続、充実させることができた。従来は月165世帯だった配付可能数に対し、6月167世帯、7月206世帯、8月305世帯と拡大し、より多くの希望に応えられた。
本助成期間中にも新規利用登録は135名増え、学校園の休業や緊急事態宣言が解除されてもひとり親世帯の困窮が続いており支援ニーズが増え続けていることがわかる。
期間中に食品を受け取った支援対象者からは、「コロナの影響で収入が減っている中、食品を頂けて救われました」「(対面での)受け取りが不安でしたが、受付が一階で用意され、混み合わないよう工夫がされていて、安心しました」と、コロナ禍でも支援が実施されたことへの安堵や感謝の声が多く寄せられている。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
今まで当団体として重視してきた「対面方式」の支援に制限が課される中、「非対面」での活動で支援対象者とコミュニケーションを絶やさずに支援を続ける必要がある。メールや電話、食品に同封する送付状等でのやり取りを強化してきたが、加えて使用者の多いLine等のツールを含め複数の連絡手段を用意して一方通行の支援に終わらせない工夫も有効だと考えられる。
また、支援ニーズの変動や日々変わる情勢に合わせて柔軟に対応できるよう、業務の効率化や情報共有、人材育成の必要性も浮き彫りになった。従来の実績や知見とコロナ禍での活動経験を、今後に活かせるよう随時振り返りや改善を重ねながら体系化を試みる必要がある。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.gnjp.org/reports/detail/20200721/