都道府県 宮城県
助成額 2,750,000
活動開始日 2020/3/1
活動終了日 2020/8/31
助成金で行った活動の概要
経済的に困窮する子どもや家族、職を失った若者や高齢者、生活費のためのバイトなどが出来なくなり困窮した学生、外国人留学生などから、日々支援を求める声が届いており、昨年の4・5月と比較すると既に100件以上の支援数の増加がありました。またコロナ以前まではフードバンクの存在も知らなかったという方、シングル世帯など、これまで行政や当団体に支援を求めたことのない家庭からの支援が増えました。こうした状況を踏まえて、これを支援する活動をするための助成をお願いしました。
具体的には以下の当団体主催の活動や連携団体などが活動を行うための支援等を行いました。
■フードパントリー活動・・当団体によるフードパントリーは、当団体に支援要請をしたシングル世帯を対象にフードパントリー活動を行いました。また連携団体においては、県内でこども食堂を主催するも場所を借りられない・調理が許されない・多数の人を集められない等でコロナ期間中にこども食堂が開催できないため、フードパントリーを行うこととなったこども食堂を中心に、食糧・食材・お弁当の提供を行いました。
■生活困窮者に対するフードバンク活動
フードバンク支援方法:市保護課や子育て支援課、地域包括センター、被災者支援団体、ホームレス支援団体、県内こども食堂、その他大学などの連携団体等による支援要請とその他、本人による直接支援要請にこたえる活動を行いました。
活動日数 124
支援対象者実人数 665
支援対象者延べ人数 5,123
参加ボランティア実人数 15
参加ボランティア延べ人数 620
本助成金による活動の成果
3月以降の活動として、当団体は4月から職員・パート職員が解雇されたこともあり、純粋に団体の活動を後押ししたいと思うボランティア・理事が残っての新体制となりました。また世の中は新型コロナウィルスという脅威に対して、学校が休校になったり、社会活動が停止したりなどのそれまでの日常とは違う新日常が突然始まり、コロナ禍での団体の基盤づくりや連携団体とのより一層の協力体制の強化が必要となりました。結果的にはコロナの影響を受けて、フードバンク活動は社会的に弱者を支える最後の「セーフティネット」として4月以降注目される機会も増えテレビ報道や新聞にも多数取り上げて頂き、それまで繋がることのなかった方に当団体の活動を広く知って頂く機会も得ました。これはCSRやSDGsの一環として社会課題に立ち向かっている多くの企業からの協賛や協力を得るきっかけにもなり、日本全国の個人の支援者から並べきれないくらいの食料・物資の宅急便が届く日もありました。また困窮する個人が当団体の活動を知ったことで沢山のSOSを直接投げかけてくるきっかけにもなりました。これまでは情報発信やお知らせなどに使用していた当団体のSNSやホームページからもSOSを求める人からのメールやメッセージが届くようになりました。
■フードパントリー活動・・シングル世帯などに
【当団体主催の物】3月7日、7月5日、8月8日
【共催または当団体より食料を渡し連携団体が開催したもの】 3月8日、15日、16日、22日、29日、4月19日、6月7日、6月21日、7月2日、8月22日その他
連携先:いわぬまこども食堂プラス、いわぬまのおばちゃんち、東仙台こども食堂、みやぎの子ども食堂、Synapse40、いずみワクワク食堂、折立子ども食堂、和ごころコミュニケーションズ、ココクール、花壇自動車、宮城学院女子大学、せんだいこども食堂、他連携団体様
場所:ふうどばんく東北AGAIN、オタワ愛徳修道女会、その他子ども食堂会場等
受益者:ひとり親世帯に対するフードパントリーとして、食材等の提供とその支援
【フードパントリーに関して】
これまでこども食堂を運営してきた運営者から、これまでのように子どもたちを集めて食事をする機会などが持てなくなったこと、コロナによる親自身の収入の減少などによって、こども食堂運営者自身が食料の支援を求められる機会が増え、こうしたSOSに応えるために自分でお米を買って渡している・・などの声を多数聞きました。こうした個人に負担がかかるような仕組み・事態を防ぐためにも、当団体でフードパントリーの食糧支援をすることが可能であること、またもしそのように個人からSOSを出してくる家庭がある場合はこども食堂運営者個人で負担せず、当団体のフードバンク支援を受けるよう促しました。また緊急の支援要請にも応えられるように、各団体の代表者等に当団体のフードバンク支援で使用している1週間分の常温保存可能な食料が入った『フードボックス』を持参して頂き、緊急に必要な場合はそのストックを直ぐにご家庭に手渡せるようにその仕組みを作り、各団体にもご協力頂きました。
■生活困窮者に対するフードバンク活動
フードバンク支援方法:市区保護課や子育て支援課、地域包括センター、被災者支援団体、ホームレス支援団体、県内こども食堂、その他大学などの連携団体等による支援要請とその他、本人による直接支援要請にこたえる活動を行いました。
支援先:連携団体や行政からの斡旋による食糧支援、また連携団体からの間接的な支援、または本人による支援要請がきた場合には対象となる世帯や本人
【フードバンク活動に関して】
当団体の通常のフードバンク活動が対象で、助成期間中は特に4月・5月の支援要請人数が多く、ひとり10万円の補助金が出ると少し減少しました。しかし、基本的には普段からぎりぎりだった生活の中で更にコロナにより困窮した人がほとんどなので、生活費や支払いを済ませるとすべて無くなってしまったという声を多数聞きました。また社会福祉協議会の小口融資や家賃補助なども申請している方が多く、生活のあらゆる面で困窮している人が多いことが分かりました。またこうした中で、行政との連携や各困窮理由に特化した連携団体につなげる活動や就労支援の紹介、食糧支援での訪問から行政の窓口に付き添ったり、食の支援をきっかけにしてボランティア一丸となって最悪の状況を抜け出すための支援者への手助けを行いました。
■プレハブ型冷凍庫の設置に関して
食料寄贈の中でこれまでは冷凍設備が無く断っていた冷凍食品の受け入れを目指し、貴団体の助成金にて設置させて頂きました。この設置の背景には、何個かの理由があります。冷凍食品は企業からの大量の寄贈要望が多いですが県内にはこの冷凍食品を受け入れる冷蔵庫を持つ団体がほとんどありません。こうした中でフードロスの観点からも受け入れて有効活用できる仕組みを目指しました。またもう一つの理由としては、個人への食料支援の場面で、冷凍食品に多いお肉やお魚などの食品を生活困窮している方は食べる機会が少ないという理由が挙げられます。宅配すると涙する方もいるほどです。またこども食堂やホームレス支援の炊き出しなどで使用する食材としても、開催するにあたって一番費用がかかるのは、お肉やお魚の購入費用でこれらを当団体から支援することでこども食堂やその他の団体の負担を減らせると考えています。
様々な面でのご支援をありがとうございました。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
■フードバンクは緊急支援ということで最初の支援を行いますが、実際にはその後も複数回使用する人もいます。そうした中で単に食料を支援するだけではなく、根本的な解決を様々な機関・行政と連携して試みる必要があります。当団体は子ども食堂や地域のこども・大人の居場所つくりも行っており、駆け込み寺のように使用する人もいます。また生活困窮するシングル世帯での見守りや家庭の抱える様々な問題で塾に通えないお子さんを中心にボランティア(元校長先生や現役の教授も在籍)による寺子屋も開催しています。課題はありますが、問題を問題で終わらせないための試みを今後も続けていきたいと思います。■今年はコロナ禍の中沢山のこどもやフードバンクを助成するための助成金が出ましたが、アフターコロナの際にどうなっているかというのが懸念です。現在も倒産する会社が増え、規制は緩和してきましたが仕事が元に戻らないという声もよく聞きます。ホームレス支援団体からは、ホームレスが増えていると聞いています。また冬にかけて爆発的にコロナ感染者が急増したりするかもしれないと懸念もあります。是非今回の助成以降も引き続き支援して頂ける仕組み(例えば複数回申請できるなど)を作って欲しいです。■コロナ禍の中、通常とは異なり飲食店に納品できなかった在庫を抱えている企業もあり、例年より大量寄贈を求める声が多くあります。また団体を認知されることによっての全国の企業からの寄贈申し込みもあります。それによって当団体の場合は備蓄用の倉庫を早急に作る必要があり、現在最優先の課題となっています。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/foodbank.tohoku.again/posts/3280441528700746