静岡県内東部地区を中心に外国籍の人々、食を含めて生活に困っている家族、ひとり親世帯、障がい者、高齢者、福祉施設等に対し、食品の配布活動や食料支援を行う活動

団体名 カサ・デ・アミーゴス

都道府県 静岡県

助成額 910,000

活動開始日 2020/3/1

活動終了日 2020/8/31

助成金で行った活動の概要
 カサ・デ・アミーゴス(スペイン語で「友だちの家」)は1990年11月に日本で暮らす外国人を支援する団体として、人権活動、市民活動、労働運動などをしている弁護士、議員、市民とカトリックの修道女や信者が共になって設立された。活動は、「外国人を始め、人としての人権を擁護し、だれもが安心して共生できる社会の実現」を目標に、これまでフィリピン、タイ等の東南アジア系外国人やブラジル、ペルー等の南米系の人々など、国籍を問わず支援を必要とする人々について、生活相談、労働相談や賛同者から寄付を受けた食品や衣類などの物資の配付支援を行って来た。  その後、リーマンショックや東日本大震災の後、外国人派遣労働者の雇用や生活の相談、支援要請が増えてくる中で、食料支援を求める声が高まり、セカンドハーベストジャパン等のフードバンクから食料提供を受け、食に困った外国籍の人々に配布すると共に、生活困窮や一人親の世帯、母子施設や障害者施設等へも食料を届ける活動に重点を置き行って来た。一方、外国籍の子ども達が学校での授業に取り残されていることから、毎土曜や夏休み等の長期休業中に外国籍の子ども達の学習支援を行っており、受領食品は学習会の場でも子ども達に提供している。  主な活動場所は、メンバーに教会関係者がいたことから、その協力を得て三島カトリック教会を集まりの場所としている。外国籍の人々はカトリック信者が多く、アミーゴスは教会との直接関係はないが、教会に出入りする外国人が多いことから、三島を中心に人のつながりができており、裾野、御殿場、富士、富士の宮など県東部に拡がっている。また、県中西部との接点も出来ており、これにより中西部への食料支援も行っている。これまでの食料支援活動では、このような人々や施設、地域において、重量換算で年10トン未満の食料配付を行って来た。  今回のコロナ禍における食料支援活動では、今までに食料支援が必要とされた人や、現在食料配付をしている生活困窮世帯などの人々がさらに厳しい生活環境におかれること、失業、休業、就労・事業収入の減少、求職などの長期化による影響を受ける人々が増加することなどから、食料調達量や配付回数を増やす必要があった。  このため、食料調達については、食料提供先であるセカンドハーベストジャパン他のフードバンクに食料提供増量の依頼を行うと共に、食料運搬の回数を増やす必要があり、その運搬資金を確保しなければならなかった。幸いなことに、赤い羽根の応援事業により食料運搬費などの助成を受けることにより、運搬回数を増やすことができた。  また配付回数増加や配布体制の整備については、英語・タガログ語、スペイン語、ポルトガル語などのグループリーダー等に、配布活動の協力、役割分担を担ってもらい、また県内中西部については、地区でボランティア活動をしている外国人当事者グループの協力を得て、それぞれにつながりのある生活困窮の人々を重点的に配付していく体制の整備に努めた。沼津市、三島市の自立相談支援センターでは、外国人を含めて就労や生活困難等の相談増加により、言語対応や援護物資支給がおいつかないなどの時があり、センターよりアミーゴスへ食料支援等の依頼がある時は協力、連携を行うようにしている。

活動日数 128

支援対象者実人数 350

支援対象者延べ人数 1,400

参加ボランティア実人数 21

参加ボランティア延べ人数 630

本助成金による活動の成果
【1】食に窮する多くの外国籍の人々へ食料配付ができた コロナ禍により、休業、自宅待機、大幅な労働時間減少により、大勢の外国籍の人々が日々、食に事欠く状態が頻発し、食料配給日には大勢の人達が食料倉庫に詰めかけ、各国リーダーたちが手際よく配布し、多くの外国籍の人々が喜んで食品を持ち帰ることができた。 【2】運搬資金が確保でき、食料調達量を増やすことができた 食料調達はレンタカーで三島から八潮や横須賀、小田原等に出かけていたが、レンタカー代、ガソリン代、高速料金代等でかなりの運搬費がかかって食料調達に行ける回数が資金的に限られていた。コロナ禍のよる食料要請者が増える中、助成金により、運搬回数を増やし食料調達量を増やすことができた。 【3】冷凍冷蔵食品の保管設備、配布活動の改善ができた 今まで倉庫に大型冷凍・冷蔵庫が2台しかなく、保管ができる冷凍冷蔵食品に限りがあった。助成金により、大型冷凍・冷蔵庫をもう一台確保でき冷凍冷蔵食品の保管量が増やせるようになった。食料調達、保管、配布などの体制、管理の計画も整えやすくなり、副食、おかずとなるような冷凍冷蔵食品の配付は今まで以上に行えており、対象となる人達からは喜ばれている。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
【1】食料調達の課題 セカンドハーベストジャパン、ふじのくにフードバンク(FB)、神奈川FBなど、FBへの食品提供依頼、連携を深めているが、コロナ禍の影響が長期化し、FBへの食料提供依頼団体数が増加しており、食料提供、調達が今までのようにできるのか心配がある。FBに加え、地元などでも食料調達ができないか検討、取り組みが必要。【2】主食、副食等の調達 需要が高いのは主食に当たるお米やパン、麺類、小麦粉等とおかずとなる副食類であるが、フードバンク経由の食品は、飲料や菓子類の比率が高く、主食や副食などの提供は限られる。不足する主食類、副食類の調達と購入を検討したい。【3】貧困や低所得家族の連鎖 外国人労働者は派遣労働や非正規雇用が多く、収入の低下、雇用の不安がある。食料支援を受けている外国人は、現状維持に余裕がなくコロナ禍のような状況では、すぐに生活困窮、貧困状態に陥ってしまっている人々が多い。これらの家庭の子ども達は修学後、親と同じように派遣や非正規で働く子ども達もいるが、家庭収入の改善にまで至らないでいる。加えて、親の高齢化による就労収入減少、老齢年金受給の有無、老化に伴う介護などが今後に問題として表面化してくる。アミーゴスは食料支援活動と共に、外国につながる子ども達の自立のために、学習支援や就職相談をしているが、引き続き取り組んでいきたい。また、高齢化する外国人労働者の老後生活の問題、課題について、食料支援活動を含め、どんな支援が必要か検討をしていきたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://camigos.web.fc2.com/akaihane.html