食物アレルギーの赤ちゃんのための支援事業

団体名 アトピッ子地球の子ネットワーク

都道府県 東京都

助成額 757,101

活動開始日 2020/6/1

活動終了日 2020/8/31

助成金で行った活動の概要
(1)病院、保育所にチラシ配布・東京、大阪、兵庫の医師100カ所にチラシを送付した。.医師からの反応はあったものの「乳児期からのアレルゲン負荷治療をしているので、当院ではアレルギー用粉ミルクの需要はない」というものだった。 (2)粉ミルク製造メーカーのメセナ部門の方などと話し合いアレルギー用ミルクの需要があることを確認した。企業としての協力を依頼したが特段の協力は得られなかった。全ての企業が一般Webサイトからの購入を希望した。 (3)一部の病院、医師に対して個別の事業説明メールを送信・頑張ってくださいという励ましの返事をいただいたが、該当者紹介は得られなかった。 (4)個人からの相談対応(メール)5件、病院、保育所からの相談対応(メール)4件 (5)粉ミルク送付希望者の聞き取り、現状を把握し必要個数を助成期間内に継続送付することを決めた。(以下事例)・夫は野外イベント設営の仕事。元々仕事量に変動があり収入も変動。それを自分のパートで埋めていた。夫は収入ゼロの状態が6カ月続く。貯えがないので借金を重ねている。 ・夫は留学生で時刻に帰省しとき緊急事態宣言が出た。夫の国では出国が制限されている。夫は学生だがインターンである程度の収入を得ていた。それが途絶えた。自分は産休中で収入が以前の7割(11万)になった。職場は密を避けるローテーション出社となり、出社しない時はテレワークとなったが自分のテレワーク環境が整わず、復帰時期が3カ月先に延びた。 ・夫とは別居中。実態はシングルマザー。親族がこの状況に腹を立てていて相談に乗ってくれない。契約社員なので出社日数に対して賃金が発生する。子どもが生後2カ月の時に別居となり、現在5カ月。貯金が底をつき収入ゼロなので暮らせない。家賃は払えず待ってもらっている。8月から職場復帰するがその給料振り込みは9月。 ・夫の親族を自宅で介護中。同居していない親戚が「感染するかもしれないので福祉施設に連れて行くのをやめて」と言う。週のうち何日かデイケアに預けパートをしていたがやめることに。元々少ない収入がまったく無くなった。夫の収入(22万)で4人暮らせない。親族は金銭的には助けてくれない。 ・シングルで子育て中。3密を避けるためパートの出勤日数が減った。今は週3日勤務で残業もなくなったので収入は半分以下に。緊急事態宣言後も状況は変わらない。

活動日数 50

支援対象者実人数 5

支援対象者延べ人数 13

本助成金による活動の成果
(1)申請者の数は少なかったが、いずれの家庭も経済的に困窮しており、今後数カ月にわたって収入増加の見込みのない人たちだった。 (2)5人の赤ちゃんの月齢はそれぞれ、2カ月、4カ月、5カ月(2人)、8カ月。いずれも、和光堂ボンラクト(大豆ミルク)、明治ミルフィーHPの要望で、他のミルクの要望はなかった。2カ月の赤ちゃんがボンラクトを飲んでいた。ボンラクトは大きいサイズの缶が販売されておらず、1日半~2日で1缶使ってしまうため、約1カ月半の支援だったが、大量に複数回送ることになった。ミルフィーは大きい缶が販売されているので、1缶は約6日分使える。当初は1人あたり4缶送ることを想定していたが、1カ月から1カ月半分を送るのに最低でも6缶必要だった。事業期間内に数回送付した。 (3)事業期間内に当法人の別事業でWebを使った交流会を開催した。子育てでしんどい人にも楽しんでもらえるようなものだったので、粉ミルクの送り先の人にも声をかけたところそのうち2家族が参加してくれた。子育ての様子、子どもたちの様子も分かり、信頼関係ができたと思う。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
(1)食物負荷治療、免疫療法の実施が近年は乳児期から開始する医師が増えたことで、医師の中には「アレルギー用粉ミルクの需要は低い」と考えている人がいる一方、都心部から少し離れた地域ではそういった医師が少ないことがわかった。(2)医師の関心は高いが、呼びかけがうまくいっていない様子だった。チラシが届いてもすぐに郵便物を開封しない傾向があり、締め切り間際に医師がチラシに気が付いて待合室に貼ったという連絡もあった。①チラシ入り封筒を開封してもらうこと、②チラシを壁に貼ってもらうこと、③待合室でチラシを見て自分のことだと思ってもらうこと それぞれに工夫が必要だと感じた。(3)粉ミルク配布対象者の要件を①収入半減 ②ひとり親家庭 ③家族に失業者がいる のいずれかに該当する人としていたが、ハードルが高すぎたと思う。今回申し込んできた人は困窮度が高かったが全員が「自分は該当しないのではないか」と考えていた。(4)医師は粉ミルク需要は減っている、または自分のところは免疫療法をやっているのでアレルギー用粉ミルクを飲んでいる人はいないというが、粉ミルク製造メーカー4社に直接質問すると「需要は増えていないが減ってもいない」と異口同音の回答をした。 医師から患者へ配布という流れ以外に、保育所や保健センターなどからも患者の親(母親)にアピールしたほうが良いと感じた。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.atopicco.org/topic/post-119.html