フードバンクぼすこ 食糧支援事業

団体名 社会福祉法人 えぽっく

都道府県 北海道

助成額 1,000,000円

活動開始日 2020/9/1

活動終了日 2021/3/31

助成金で行った活動の概要
法人の自主事業として2016年12月から実施していた食料支援の取り組みについて、2020年7月に法人で新たに立ち上げた「居住支援業務事業所えぽっく」の活動として位置づけ、「フードバンクぼすこ」として、札幌市厚別区と北広島市をエリアに本格的活動をはじめました。今回の助成金により活動内容の充実が図られました。実施にあたっては、フードバンク事業でお世話になっている千歳市のNPO法人もったいないわ千歳をはじめ、公益財団法人札幌国際プラザ、留学生交流センター、北海道ベトナム人協会、北広島市生活困窮者相談支援事業所「きたひろしま暮らしサポートセンターぽると」、札幌市障がい者相談支援事業所「相談室ますとびぃー」等、地元の関係機関との連携ですすめました。食料支援については、生活困窮者相談支援事業所「きらひろしま暮らしサポートセンターぽると」との連携による北広島市内の生活困窮世帯への配荷、札幌市障がい者相談支援事業所「相談室ますとびぃー」からの依頼による困窮している障がい者への緊急配荷等を実施しました。また、留学期間が終了したにもかかわらずコロナ禍で帰国できない留学生や、技能実習生で来日したが仕事が減り自宅待機となっている方にも支援を行いました。 スーパーマーケット、近隣農家、フードバンク「もったいないわ千歳」の協力をいただき、原則週1回20~30名に食料支援を行っていました。そのほかに緊急の食料支援は随時行いました。その後、コロナ禍の継続で、食料を求める人たちが増加し、近隣農家からの野菜や米の提供は大変助かりました。食料支援を希望される方々は日増しに多くなるのに、寄付をしていただける企業等からは、私たちの力不足もあり、思うような量の寄贈が確保できず、必要分の配荷ができない週もありました。各企業を訪問しての協力要請は、コロナ禍において、なかなか実施できませんでしたが、新規開拓については、SNSの活用や関係機関や知り合いを通して、地元農家からの協力の拡大、地元在住の個人からの提供等、徐々に拡大をしていきました。留学生や技能実習生への食料支援においては、ベトナム人の非常勤職員も雇用し、ベトナム語のチラシの作成や、配荷するだけではなく、ベトナム語での生活相談を配荷時に、あわせて行いました。2020年10月31日にはフードバンクぼすこ創設企画として、「仲間の集い」を北広島市駅前の会場で開催しました。コロナ禍で参加人数を33名に絞っての開催でした。参加者は、ベトナムからの留学生や技能実習生、生活困窮者等で、寄贈いただいた米でおにぎり、オートミールでクッキーをボランティアの方に作っていただき当日お持ち帰りいただきました。北広島市行政からもボランティアとして参加いただきました。当日は共同募金会からのフードバンクぼすこへの100万円の助成の決定を掲示板で紹介し参加者の皆さんに報告するとともに、フードロスの問題や食料支援の意義・重要性について理解と協力について啓発活動を行いました。また、市内のコンビニ閉店に伴う寄贈品を参加者に選んでいただき持ち帰っていただきました。

活動日数 46

支援対象者実人数 612

支援対象者延べ人数 1853

参加ボランティア実人数 5

参加ボランティア延べ人数 12

本助成金による活動の成果
今回の助成金により、フードバンクの大きな一歩を踏み出すことができました。定期的に「ぼすこ通信」を発行し、協力いただいている企業さんに紹介するなどしました。共同募金会のロゴマークを使用させていただいたことにより、フードバンクぼすこの活動について信頼性も一層高まりました。必ず言われるのは「共同募金会の助成を受けているんですね」の言葉です。SNSも活用しました。法人やぽるとのホームページでの周知、居住支援業務事業所えぽっくのフェイスブック(ベトナム語・日本語)の配信等により、より多くの方々にその活動を紹介しました。また、緊急用の食料を購入させていただき、年末など寄贈食料が少ない時期の特別配荷に充当しました。たいへんありがたく感じています。まだまだ、フードバンクぼすこでの活動規模は小さく、今後多くの企業や個人の方に認めて頂ければ一層の安定した食料支援ができると考えます。残念ながら、助成を受けている間、食糧配荷の専任スタッフの確保(日本人とベトナム人)できず、既存の非常勤職員の勤務時間数を増加しての対応としました。配荷に係る車両の燃料費の補填も助かりました。もったいないわ千歳さんが受けている食料寄贈企業に、私どもの法人の大型車を運行し、協力して食料の集荷を行うなど活動協力の範囲も広がりました。大型冷蔵庫は寄贈いただいた食料の、一時冷蔵保存場所として有効に活用させていただいています。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
現在の活動については、助成金終了後も縮小することなく継続して実施しております。助成期間中に関係をつくりあげた団体との相談しながら、3年度以降、さらに事業の拡大をすすめています。 ①生活困窮者支援については、コロナ禍で希望は依然として多く、引き続き継続します。 ②障がい者相談支援事業所との連携による緊急の食料支援も徐々にではありますが増加しており、障がい者への居住支援の一貫としての食料の緊急支援もさらに拡大します。障がい者相談、居住支援相談と連携により、地域で暮らす上での総合的支援の一端を食料支援が担えればと考えています。 ③外国人支援についても、エリアを絞りつつ、ニーズを把し関係機関と調整のうえ、今後も継続します。引き続き、ベトナム語等、母国語での広報にも努めていきます。あわせて、配荷のみならず、登録いただいている方々への母国語での生活相談への対応も一層の強化を図ります。 ④集荷先の拡大についても、課題が山積みしています。昨年度はコロナ禍において、訪問等の制約も多く、協力頂く企業及び団体の開拓は不十分で、知り合いやSNSを通じての紹介や地元農家や個人の協力がほとんどでした。今後は、地元商工会との連携も図りながら、企業開拓を行いたいと考えています。そのためには、PR活動や勉強会の機会も大切と考えています。 ⑤フードドライブについては、昨年度は計画のみとなりましたが、今年度、地元消費者協会との相談しながら、フードドライブの取り組みについても実践していく方向で準備をはじめています。手始めに5月に、すでにフードドライブの取り組みをすすめている釧路消費者協会の方を招いてリモート研修会を行い、具体的準備をすすめてまいります。企業や農家の協力のほか、多くの市民の方に少しづつでも支えて頂ける新たな方法の模索も必要と考えており、まずはフードドライブの取り組みからはじめていく予定です。 ⑥経済状況の冷え込みにより収入基盤の脆弱な方から失職してしまう傾向が顕著になっており、家計を少しでも支えようとしている学生がアルバイト先が無くなり、生活費を切り詰めた結果十分な食事を摂れない、退学しなければならないなどの複雑な課題もでてきています。また、義務教育においても学校が休みの時は給食がなく、生活が困窮している世帯のお子さんがお昼を食べられない事も増えてきています。声を出せる人はまだしも声を出せないひきこもりの人達、障がいのある困窮家族の方々など情報が表面に出てこない多くの生活弱者の方々の把握にもつとめ、声を出せないでいる方々に寄り添い、何でも相談ができ、必要に応じて食料支援も受けられるよう、今後も実践を続けていきます。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://epoch.or.jp/489/