食品ロスを削減し食糧をシェアして、こどもの貧困をなくすための事業

団体名 一般社団法人 フードバンクとっとり

都道府県 鳥取県

助成額 870,000円

活動開始日 2020/9/1

活動終了日 2021/3/31

助成金で行った活動の概要
農水省食品ロス(ろすのん)、おてらおやつクラブ、地元生産者、企業、行政の災害備蓄品等、SDGsの取り組みや食品ロス削減の取り組みが広がりつつある中、9月~3月までの期間、約3トンの食糧を貧困世帯やこども食堂等へ提供できた。配送用自動車のリースができたため、これまで以上に配布することが可能となった。定期的には、こども食堂と連携し、「フードシェア」の開催を毎週日曜日に行った。主にこども食堂の参加者に、食糧を必要なものを必要な分だけ持ち帰ってもらい、日々の食事に供することができた。チラシ、旗等でその開催を知らせた。2年度の活動として米は定期的に提供できた。しかし、野菜は温暖化の影響で値段の高騰等により例年よりずっと少なく提供が難しかった。冷凍食品は地元企業が提供して下さり、他の地元業者からは、大量提供がありとても感謝している。コロナ禍で様々な活動が制限されたが、孤立や孤独に悩む方々も多く、顔を合わせる度に信頼関係が深まり、元気や笑顔を取り戻していく様子が私たちの励みとなった。必要なことをしているという意義も生まれ、スタッフは元気よく取り組みが行えた。私たちは、配布先で食品ロスとならないよう、必要な物を必要なだけ選んだり分け合っている。余っているものでも要らないものを持ち帰られ家庭ごみになってしまうことを極力避けている。そのために、こども食堂で、様々なレシピを考えてもらい、食糧、食材を提供するときのヒントにしてもらっている。特に、炊き込みご飯は缶詰や少しの食材等入れて炊き、野菜や肉等のたんぱく質も入れているので、他にサラダ、スープがあると一食にできると、カレーピラフ、シーフードピラフ、チキンライス、大山おこわ、中華おこわ、赤飯(他にも生姜ライス、コーンピラフ)等、レシピの紹介もしている。きめ細やかな活動で、どのような食材でもロスを出さないように取り組んでいる。そのことが、各家庭の貧困をなくしていると考えている。2年度は、多くの食糧を取り合ったったため、新たに母子会や障がいのある方々に提供でき大いに感謝された。またその管理者にフードロスに実態を伝え一人ひとりの意識啓発が重要なことも伝えられた。年度末には、中国四国農政局フードバンクの意見交換会で紹介された鮭の養殖場を経営する企業から、小さい鮭の提供の話しをいただき見学した。令和3年度より提供いただける話になったため内部でその取扱い方等シュミレーションしている。私たちは生鮮野菜、肉、魚、冷凍品も取り扱うため、食品管理責任者の資格も順次取得している。衛生管理適正管理の上、活動できるよう意識を高めて取り組んだ。

活動日数 105

支援対象者実人数 295

支援対象者延べ人数 675

参加ボランティア実人数 10

参加ボランティア延べ人数 167

本助成金による活動の成果
クーラーボックスや自動車が使えるようになったことから活動の幅が広がり、地域のこども食堂(約10カ所)、母子会(50世帯)、障がい者施設にも提供できるようになったことが一番の成果である。また、フードバンク活動を地元ケーブルテレビ(中海テレビ)や番組製作会社が取り上げ、フードバンク活動や母子世帯等貧困世帯に届けたい想いが伝わり効果的だった。フードバンク活動が広報され、「フードバンク活動をはじめたい」「フードパントリーをしたいがどうしたらよいか」など、相談も複数受けた。見学も多く受けた。残暑が厳しかったため拠点のフードバンクの倉庫内が熱くなるので冷風機も活躍した。配送する際も、自動車内が熱いためクーラーバッグやクーラーボックスに保冷剤を入れ食糧の適正管理や配送ができた。そのため、今までフードバンク活動をしながら多少の食品ロスが発生していたが、そういうこともなくなった。広報チラシを配布した効果として、母子会、障がい者施設等、困っている人や世帯に対し、これまでになく多く提供することができた。特に、お米は毎週こども食堂に提供し大変感謝された。農水省食品ロス(ろすのん)情報、おてらおやつクラブ、こどもの貧困をなくすための団体やこども食堂等と協力・連携して、活動を広げ住民への啓発や意識の醸成が一定程度叶った。「食糧をシェアして、貧困をなくす」目標の進ちょく率としては、定期的に食糧をすることができ、それに併せて声掛けや相談につながり、対象の方々の笑顔が増えていったため概ね達成と自己評価している。利用者と提供者互いの信頼も増すなかで、利用者の元気を取り戻していくことができた。貧困の母子2名が孤立し社会に希望が持てないで立ちすくんでいたが、働きたいと意欲が強まり就職することができた例があった。また、精神疾患の孤独な青年も、「食べ物がない」と連絡があり、提供するうちに少しずつ相談に繋がり、社会福祉協議会や地域の福祉課に繋げることができた。そして、「食べものがない」とSOSに応えていくうちに元気を取り戻し、適切な施設に入所が決まった例等成功例が私たちの活動の原動力となり好循環が生まれた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
食糧の引き取りや配送の費用(自動車リース料、ガソリン代、人件費)等の必要経費がかかってしまうため、事業を展開すればするほど費用が増していく。また、定期的、定量的に配布できるのは、現在お米のみであるが、そのお米も、収穫前に在庫を片付けたいとの提供が多く時期が偏ってしまうい、春までは温度管理が必要ないことから提供可能だが、暑くなる5月頃から虫の発生等課題となるため、小分けしたものを冷蔵庫に保管するなど工夫している。そのため、暑くなると冷蔵庫のスペースが不足する。自動車内も温度が上がるためクーラーボックスや保冷剤を使っても度々保冷剤の入れ替えが必要となるなど、高温(35度以上)が続く時は、保冷車が必要だと新たな課題が見えてきた。ガソリン代が高騰すれば配送費がさらに負担となる。ガソリン代が捻出できるような助成制度を創設してもらいたい。令和2年度は、赤い羽根募金会様のおかげで、必要な活動が可能となったが、今後も安定的に継続するためには、管理事務費や人件費、配送に係る費用は必至である。それがないと、個人の努力によるものとなり継続的な活動となりにくい。SDGsの目標に向けて、「余った食糧をシェアして貧困をなくす活動」をさらに広げていくためには、企業、団体、行政、住民が一致団結し、その取り組みの意義や必要性を地球レベルで考えることが必要だと思うが、国や行政等の働きかけは隅々までは届いていない。SDGsの意識は企業に浸透しているようであるが、具体的にどうしたらよいというモデルも示されていないように思える。私たち鳥取のフードバンクに都市部の住民や県外のNPO法人からも食糧を提供してもらえないかという連絡がしばしばある。全ての配送料を負担できないため、近くのフードバンクや社会福祉協議会の案内をするが、できれば地域のなかで循環モデルを示せると、食糧が不足している方々が助かると考える。フードバンクとっとりは、基本的に地域循環型社会モデルを作りたいと生産者や企業、行政に働きかけ徐々に認識してもらえるようになった。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://hiroeit0729.wixsite.com/foodbanktottori