都道府県 福岡県
助成額 2,490,000円
活動開始日 2020/9/1
活動終了日 2021/3/31
助成金で行った活動の概要
●コロナ禍がおさまらない中、子育て要支援世帯は増加を続け、コロナ禍前では30世帯程度であった毎月の食料支援世帯数は100世帯を超え、不定期での支援者数は230世帯を超えた。夏休み等の長期休暇時に応援食品を配布し、子育てや進学等の情報を発信して包括支援につなげる目的で役立てているline公式アカウント登録者数は500世帯に迫っている。このような現況で9月以降の活動が以下のように繰り広げられた。 ●9/9と10/14に当団体の本部のある尾倉中学校区において、皿倉小学校と尾倉中学校の協力のもと、子育て世帯100世帯分のお弁当及び食品配布を行った。配布世帯の中で気になる世帯には聴き取りをして食料支援が必要と思われる方は、行政の生活困窮者相談窓口である『いのちをつなぐネットワーク』と連携して個人支援につなぎ、line公式アカウントへの登録をおこなって、包括支援につなぐ流れをつくった。 ●11月、1月、3月と3回にわたってフードパントリーを皿倉小学校全世帯を対象に行い、11月は34世帯、1月51世帯、3月48世帯に対して応援食品の配布を行った。この3回は以前行った対象者の通いなれた皿倉小学校正門、土曜日の昼間という配布環境とは異なり、配布場所も配布時間帯も平日の夕方に変わったため、食品を受取りたいが受取にいけない方々が多く生じてしまった。今後は対象者のニーズに合った配布環境を整える必要がある。 ●12/17は夏に引き続き、line公式アカウントに登録している市内の450世帯程を対象として≪冬休みお腹いっぱい大作戦≫を開催した。夏は㈱サンキュードラッグ店舗等、市内7拠点を受け渡し場所としたが、冬は店舗が使えず、申し込みのあった313世帯に応援食品をすべて宅配便で配送した。 ●2021年1月には、これまでの食料支援における行政との連携体制を強化するために、行政7区の区役所に設置されている生活困窮者窓口『いのちをつなぐネットワーク』、子ども家庭局の子ども家庭相談コーナー、そして生活保護課の各担当者と当団体との四者協議が行われ、具体的な連携の共通認識を確認できた。 ●毎月の食料支援者への対応が、行政7区において統一され、連携先との信頼関係が構築された。当団体においては個人支援を担当するチームメンバーを3名から5名に増員し、傾聴等の信頼関係を築く上で大切な支援の質が低下しないよう努めた。
活動日数 150
支援対象者実人数 471
支援対象者延べ人数 8491
参加ボランティア実人数 91
参加ボランティア延べ人数 3000
本助成金による活動の成果
●10/20に本助成金を活用してプレハブ型冷凍庫を本部倉庫内に設置した。今までは連携している冷凍倉庫が遠方であるため、食品管理が行き届かず、多くの要支援者に配布できたであろう冷凍食品が、期限切れのために再廃棄に至ってしまったり、配送におけるピストン輸送の労力が大きいために積極的な冷凍食品の受け入れができなかった。しかし、プレハブ型の大容量冷凍倉庫が本部事務所に設置されたおかげで、より多くの冷凍食品を手元に置けるため、より敏速に、より多くの要支援者へ、より多く冷凍食品配布がおこなえるようになった。 ●3月の下旬には、パック包装機と虫がわかないようにするための脱酸素剤(エージレス)、専用の包装袋を当助成金によって購入した。当初はお米専用の真空包装機を予定していたが、お米以外の食品に使えないため、どの食品(カット野菜や果物等)にも使え、常温で長期保存が可能となる、脱酸素剤同梱タイプのパック包装機を購入した。その結果、食料支援にとって、欠かすことのできないお米をできるだけ味を落とさずに長期保管することが可能となった。お米は毎月700㎏が最低必要となるため、寄贈量(フードバンク寄贈は古米や古古米が多い)が多い時には質を落とさずに長期保管することが不可欠であった。現在は、早速、㈱味の兵四郎から寄贈された3トンのお米を5㎏ずつ包装パックし、要支援世帯に美味しいお米として差し上げることができる環境を整備している。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
●今後、コロナ禍が落ち着いたとしても、経済の不安定さは解消されず、経済的困難を覚える方々は益々増加してくると推測される。また、食品寄贈に関しては、経済活動が再開され、急増していた食品寄贈量が減少するのか、SDGsの観点から、食品ロス削減への意識が高まり、寄贈企業が増加して食品寄贈量が増加してくるのかが現段階では見えてこない。このような現況から見えてくる今後の課題は、①需要と供給のマッチングの問題 ②食品保管倉庫の確保や生鮮食品・冷凍食品配送における食品の温度管理を含めた食品管理の問題があげられる。①については、食品寄贈量が減少した場合、増加した困窮世帯に対して、食料支援が行き届かないケースが考えられる。その場合を見越して、国や自治体の周知協力も強化し、「ロス食品はフードバンクへ」を合言葉にして、食品ロスの総量である約640万トンの内、フードバンクへの寄贈量が現在の0.0数%台から0.数%台、また数%台へと増加してくるよう働きかけなければならない。②については、食品寄贈量が増加した場合、増加した困窮世帯に、いかに効率よく、必要量を届けることができるよう、食品保管倉庫の拠点や温度帯管理を含めた食品管理や流通のシステム構築が求められる。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/food.bank.kitaq/photos/pcb.3378054442320501/3378053115653967/