都道府県 宮城県
助成額 1,000,000円
活動開始日 2020/10/1
活動終了日 2021/3/31
助成金で行った活動の概要
当団体はこれまでに石巻市内の中でも特にひとり親世帯や生活困窮世帯が多い石巻市東部地域の2ヶ所で地域子ども食堂を運営してきている。特に、同地域においては震災の影響もあり多くの家庭が経済的に厳しい状態にあった。加えて、このたびの新型コロナウイルスによる休業等により親の休職や失業が増加しており、経済的な困窮度が増し、生活困窮に陥っている家庭が急増している。とりわけ、ひとり親世帯(母子世帯)においては母親が失職し、日々の食事に困っている家庭も散見されていた。そのため、同地域の生活困窮状態にある子どもや家庭への貧困対策や生活支援が急務となっていた。さらに、現在石巻市とその周辺市町(東松島市、女川町)での子ども食堂を運営している団体と「石巻圏域地域こども食堂ネットワーク」を形成し活動しており、このネットワークの加盟団体からも同様の支援が急務との報告を受けていた。そこで、当団体が運営している石巻市東部地域の2ヶ所の地域子ども食堂に加え、石巻圏域地域こども食堂ネットワークの加盟団体および子ども食堂実施団体(計10団体)や子ども支援団体(5団体)と協力し、石巻圏域の子ども食堂の利用者やひとり親世帯および生活困窮世帯などを対象として、食料支援(フードパントリー)活動を実施した。活動の詳細は下記の通りである。ーーー◆対象者:石巻圏域(石巻市、東松島市、女川町)の子ども食堂の利用者や新型コロナウイルスにより経済的な影響を受けた家庭、特にひとり親世帯および生活困窮世帯、合計約300世帯 ◆支援対象地域:石巻圏域(石巻市、東松島市、女川町の2市1町) ◆活動期間:2020年10月1日~2021年3月31日(活動日数:120日)◆活動内容:以下の通り、食料支援(フードパントリー)活動を実施した。①実施場所:石巻市黄金浜会館 ②実施日:2020年10月10日・24日、11月14日・28日、12月12日・26日、2021年1月9日・23日、2月13日・27日、3月13日・27日 ③実施回数:12回(毎月2回) ④利用世帯数:延べ1824世帯 ⑤内容:事前に協力団体(15団体)と共に食料品の調達や対象者への開催告知を行った。また、本助成金で毎月食料品(米、缶詰、レトルト食品、冷凍食品、調味料など)を購入し、事前に調達した食料と合わせて月2回(第2、第4土曜日)食料支援活動(フードパントリー)を実施した。。なお、実施にあたっては新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、参加者およびボランティアスタッフすべての人に対して受付での検温と体調報告、記名、手指消毒を義務づけた。また、できる限り屋外で実施することとし、天候等の理由により屋内で開催した場合には、会場内は常時換気扇による換気に加え、1時間ごとに窓を開けての換気を行い感染予防に努めて実施した。さらに、1回あたりの人数を制限するために、第2土曜日は主に石巻市内の方、第4土曜日は東松島市と女川町の方として、大人数による密集を避ける対策を施して実施した。
活動日数 120
支援対象者実人数 304
支援対象者延べ人数 1824
参加ボランティア実人数 26
参加ボランティア延べ人数 218
本助成金による活動の成果
本助成事業での食料配布の世帯数は延べで1824世帯、各世帯の市町村別の内訳は石巻市内が1206世帯(約66%)、東松島市内が383世帯(約21%)、女川町内が235世帯(約13%)となり、石巻市を中心として、2市1町の生活困窮世帯やひとり親世帯などに食料支援を実施することができた。また、本事業を実施にあたっては、石巻圏域地域こども食堂ネットワークの加盟団体および子ども食堂実施団体(計10団体)や子ども支援団体(5団体)と連携して、支援対象者の掘り起こしや対象者への連絡と告知、食料調達などを行い、また、日頃から子ども食堂へ寄付をしてくれている水産会社や食品会社、農家、生協、地元スーパー(8団体・個人)やいしのまきフードバンクとも連携して、食料品の提供を受け、食料支援(フードパントリー)の活動を実施することができた。さらに、石巻市社会福祉協議会や石巻市子育て支援課・保護課とも連携して、これまで支援が届いていない家庭の掘り起こしなども行い、支援対象者を拡大して実施することができた。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
当団体では、石巻市内の2ヶ所で地域子ども食堂を実施していることからひとり親世帯(シングルマザー)や低所得者世帯の生活困窮度合が高いことは実感していたが、本事業を実施する中で新型コロナウイルスの影響により休業や休職、失業に至るケースが増加しており、経済的な困窮度が増し、生活困窮に陥っている家庭が当初想定していたよりも多いことがわかった。また、従来は生活困窮世帯ではないと見ていた家庭においても、詳しく尋ねるとかなり厳しい生活実態であることもわかってきた。このように、従来の想定以上にいわゆる「隠れ貧困」の世帯が多くあることがわかった。このような家庭には公的な支援や手当が届きにくく、また本人からも支援が必要との声を言い出しにくい側面がある。また、当団体がこれまでは石巻市内のみで活動してきたこともあり、周辺市町の状況が把握できていなかったが、本事業を通して他団体と連携することによって、周辺市町の子育て世帯の困窮状況もわかるようになってきた。このように石巻圏域の2市1町の広域で見た場合に生活困窮世帯の数も300世帯を大きく超えることもわかってきており、これらの世帯に対して、いかに自立に向けて支援していくかが大きな課題となっている。今後はこのような生活困窮世帯(特にひとり親世帯)が何とか生活を維持し、経済的にも自立できるように継続的な食料支援はもとより、仕事を失った方に対しては当団体が新しい雇用の受け皿としての支援や就労支援などにも取り組んでいく計画である。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://watamamasmile.org/pdf/202104_watamamatushin.pdf