都道府県 山口県
助成額 700,000円
活動開始日 2021/9/6
活動終了日 2021/12/27
助成金で行った活動の概要
障がい者就労者と「食材ロス課題解決に伴う農家支援」「子育て家庭への愛情弁当配布」などを中核とした「店舗型想い合いプロジェクト」を実施。弁当配布・支援価格販売のみならず、自走可能な仕組みづくりとして障がい者就労支援施設から紹介頂いた障がい者スタッフとメンバーで、協力団体であるJAさんを介して農家さんより規格外野菜等を仕入れ、飲食店として雑炊を提供。店舗では農家さんがどんな想いで野菜を育てているかを掲示し利用客に理解を深め、飲食頂きました。また、お店で規格外野菜を使わせてもらっている農家さんが来店頂いた際には、一般のお客様に農家さんを紹介し、生産者と消費者の交流も生まれました。また10月までは金曜、11月から12月は火曜日に12回にわたって、事前予約対応で「子育て家庭」に対してのみ「愛情弁当」を100円(10月までは無料、通常500円で販売)を営業後に調理し配布。支援を実施した共働き・ひとり親世帯から「助かる」「続けてほしい」と感謝と継続を願う声を多数頂きました。
現在も一緒に働いてくれている、調理に興味のあった障がい者スタッフさんからは「飲食業で働けて楽しい、メンバーと一緒にお弁当を作り子育て家庭に届けることができて自分も支援に貢献できて嬉しい」とコメントも頂きました。
活動日数 12
支援対象者実人数 169
支援対象者延べ人数 169
参加ボランティア実人数 12
参加ボランティア延べ人数 60
本助成金による活動の成果
【農家支援】では、店頭に農家さんがどんな想いでどんな人が野菜を育てているのかといった取材記事を掲示することで食べる人に食材ロスの課題や美味しい農作物への感謝など本事業への理解を深めてもらう機会となりました。また農家さんが来店の際にはエンドユーザーとの交流も生まれ、生産者と消費者が繋がる場所作りもできたと考えています。
【障がい者就労支援】では簡易な作業をたくさんの方に、ではなく連携している障がい者就労支援施設と協議し、「飲食業に興味があって本事業の店舗で働くことで自己実現ややりがいなどが創出される」ことを重点において人選し従事してもらいました。障がい者就労支援施設スタッフからは、「従事してくれている障がい者の方が本当に生き生きと楽しそうで店舗メンバーの理解や配慮もあるが障がいの有無に関わらず一緒になって「誰かの役に立つ仕事」ができていると感じる。本人からも自分も支援に貢献できて嬉しいと声も頂いている」と話してくれました。人数は一人ですが「作業・仕事」ではなく、「その人がより生き生きと社会に貢献できる仕事」を生むことに繋がったのではないかと考えています。
【子育て家庭支援】については、お弁当配布や支援価格販売で子育て世帯を支援することができました。少しでも多くの世帯に届けたいと、期間中1世帯1回限りとしたことで支援数は目標に届きませんでしたが、中には以前のフードバンク助成事業の際に支援した世帯も今回利用され、野菜嫌いの子どもが前回のお野菜を使った料理を「美味しい」と食べたから今回また利用させてもらいました、と声を頂きました。単なる食べ物としての「野菜」からどんな人がどんな想いで大切に育てた食べ物に意識が変わることで子どもたちの「食材ロス等の課題に関する意識」に変化が生まれたのかもしれないと手応えを感じました。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
助成金のお力を借りながら進めてきた事業の中で、自走可能な仕組みづくりを模索しながら感じた課題として、一つは「自走可能な店舗運営における人件費比率と単なる作業ではない障害者雇用促進のバランスを取る難しさ」を痛感しています。コロナ禍で客足が伸び悩み、店舗運営のための効率を重視すればするほど作業スピードに違いが生まれやすく、やりがいを重視したシフトでは人件費比率が上昇し店舗運営が厳しくなるため、スタッフ(障がいの有無に関わらず)へ求める業務が高くなり負荷になってしまうと感じました。
二つ目は、限られた商圏と席数では農家さんが抱える「廃棄を余儀なくされる規格外野菜の量」に対して有効性や今後の可能性を感じる仕組みではあるものの、課題解決量としては到底追いつけるものではなく、さらなる消費量と新たな障がい者就労機会を生むために加工業への拡大を構想しています。ただ、加工業の営業許可における条件は「占有の加工調理場所」の確保が必須となることから大型の設備投資が必要となるため検討が必要となっています。今後の取り組みとして店舗型で可能な「テイクアウトの範囲」で消費量を増やし、自走可能な座組みで、障がい者就労支援機会の創出を増やしたいと思います。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.kodomirao.com/no-border/想いeat/2021-第3回-赤い羽根/
寄付してくれた人へのメッセージ
支援した農家さん・障がい者スタッフ・子育て家庭から「感謝」「やりがいを感じる」「本当に助かる」など多くの声を頂くことができました。まだまだ課題はありますが持続可能な支援につながる足掛かりが出来たと思っています、本当にありがとうございます。