都道府県 東京都
助成額 720,000円
活動開始日 2021/4/1
活動終了日 2021/12/31
助成金で行った活動の概要
豊島区に暮らす経済困窮子育家庭に、毎月1回、米5キロと余剰食材を毎月ピックアップに来てもらい、地域住民や企業や団体のボランティアが食材を手渡し交流する「としまフードサポート」を実施した。食を会して子どもの成長を応援するとともに、地域住民がつながり何時でも何かあったときには相談できる関係をつくり、孤立や虐待を予防してきた。13拠点は区役所の車止め、および区民ひろばなど公的施設を通年無料で借りて実施した。お米は「子どもにはお腹いっぱい食べてほしい」という善意の寄附や、證券会社からの提供米、また今年度は農水省からの備蓄米600キロ、パルシステム東京からは生産者を守る視点から5キロ×355袋、3キロ×300袋の提供、アマゾンほしいものリストや個人様からも多数提供を受けた。他の食材はフードバンクやパントリーの中間支援団体からの提供、企業からの備蓄食材などを利用した。活動を実施するために、本助成金にて食材を保管する倉庫の設備整備(スノコ購入)、食材を小分けるす袋等、食材を引き取りに行く運搬車とガソリン費、通信費(配布拠点のリーダーは、ピックアップに来ない方に電話したり、毎月のオンライン振り返り会議参加のための通信費)、野菜が高騰した時期には野菜購入費を賄うことができた。実施日と配布拠点数は4月16.17日(13拠点)、5月15.16日(13拠点)、6月19.20日(13拠点)、7月17.18日(13拠点)、8月14.15日(13拠点)、9月18.19日(13拠点)、10月16.17日(13拠点)、11月20.21日(13拠点)、12月11~17日(1拠点) としまフードサポートの実績から12月には豊島区と協働で「ライス!ナイス!プロジェクト」を12月12日に区役所4階、18.19日には全区民ひろばにて児童扶養手当対象のひとり親家庭へのフードサポートを実施した。
活動日数 180
支援対象者実人数 2,580
支援対象者延べ人数 14,445
参加ボランティア実人数 210
参加ボランティア延べ人数 1,009
本助成金による活動の成果
〇活動を継続報告発信することにより、こどもの貧困問題に関心を持つ人が増えた。多くのボランティアが、子どもや親(受益者)に接することで、他人の子どもも可愛いと思え、見えにくい親の苦痛を知り、おせっかいしたい気持ちを育むこととなった。ボランティア対象のアンケートでは以下のような結果が明らかになった。①活動に参加して良かったですか?の設問に対して・大変よかった64人・よかった22人・どちらでもない1人、②このような活動は地域を変えるきっかけになると思いますか?の設問に対して・強く思う55人・まあ思う28人・どちらともいえない4人 〇受益者は、毎回楽しい雰囲気の中で自己肯定感が育まれていると感じる。具体的には「自分よりもっと大変な家庭があるのに参加してよいのか」「自分は食べられているから参加しては申し訳ない」「離婚したのは自業自得なので、もっと頑張らないとダメですよね」という声の方も、参加を重ねていく中で「今はひとりで頑張らずに地域を頼って子育てして、いつか私も支える側になりたいです」「豊島区で子育てできて幸せ」「明日からまた頑張ろうと思える」という気持ちの変化が多く見受けられた。 〇住民の活動に後押しされて豊島区子ども若者課が「子ども若者応援基金」を創設して、児童扶養手当を受給しているひとり親家庭1100世帯にチラシを郵送し、基金を活用した官民協働での食料支援を12月に実施したことは大きな成果である。 〇毎月の活動終了日21時から、13拠点のリーダーをになっている地域住民とオンラインによる「振り返り会」を実施した。豊島区に分散しているリーダーが、活動から学びや気づきを得る時間の積み重ねにより本プロジェクトのリーダーとして地域ボランティアや拠点となる区民ひろば運営者、野菜など地域商店からの食材調達などのエリアコーディネーターとして活躍するようになった。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
今後も毎月定期的にこの活動を継続することで、困窮家庭家庭の子ども応援団を増やし、子育てを親の責任にさせない新たな価値観を共創したいと考えている。そのために、影響力のある企業や団体が更に活動に参画するようなしかけが必要だと考えている。また最近は「フードバンク」だけでなく「コスメバンク」も立ち上がっているが、食だけでなく社会のあらゆる余剰品が廃棄されることなく必要とする人につながる仕組みが必要である。そのために現在「としまSDGsプラットフォーム」を豊島区内の企業や団体と共創する会議を重ねている。あらゆる余剰品が小地域で循環することで、多世代にわたり「貧困をなくす」活動へと活動の輪を広げていく予定である。受益者には毎月「お困りごと」をメール入力してもっている。お困りごとがある方には、電話をしたり、フードサポート時に話を聞いたりと、ほっとかないようにしている。困りごとの多くは仕事と住まいのことである。そこで現在は、パソコン教室などのシングルマザーのスキルアップ教室や、シングルマザーの仕事相談や子育ての悩みを語り合うSDGsカフェなどを、赤い羽根共同募金助成金を活用して実施している。そこから見えてきた課題として、やはり住まいとお仕事の相談業務が急務だと感じている。現在実施している住まいサポートでいえることは、住み替えの理由は収入減少であるからだ。そのため仕事相談業務を実施できる体制を整え、受け入れ先企業の開拓と、無料職業斡旋を実施していきたいと考えている。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://toshimawakuwaku.com/2021/07/25/food-3/
https://toshimawakuwaku.com/2021/11/18/09food/
寄付してくれた人へのメッセージ
コロナで全国学校休校をきっかけにスタートしたフードバンク活動「としまフードサポートプロジェクト」を継続するために、多くの皆様に応援していただき感謝申し上げます。これからも余剰食材を小地域で循環するしくみを開拓していきたいと思います。引き続き、フードバンク活動の応援よろしくお願いいたします。