DV被害女性と子どものためのシェルター拡充及び充実したケアを提供する事業

団体名 認定NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ

都道府県 兵庫県

助成額 2,994,000円

活動開始日 2021/4/1

活動終了日 2021/12/30

助成金で行った活動の概要
新たに戸建てのシェルターを1か所新規に開設した。既存のシェルターはいずれもマンションの一室であり、生活音などの心配や子どもが複数いる家庭では手狭であった。しかし、今回新しく戸建てのシェルターを開設し、家族利用者がより快適に過ごすことのできる場づくりを行った。また、ペット同伴可とし、これまでは対応できていなかったペット連れでの避難を実現することができた。また新たに2名の支援スタッフを雇用した。スタッフ増員により、事業拡大によるスタッフへの負担を軽減し、利用者に対してよりきめ細やかな支援を行うことが可能となった。新規雇用者に対しては、月1回の研修及びベテランスタッフによる個別指導を行うことで、スタッフ間での支援の質の差が生じないよう、心がけた。

活動日数 192

支援対象者実人数 20

支援対象者延べ人数 800

参加ボランティア実人数 50

参加ボランティア延べ人数 384

本助成金による活動の成果
当該シェルターの利用者に対しては、当団体支援スタッフが、定期的かつ継続的に相談を受けた。時には必要な他機関へのつなぎを行ったり、同行支援を行った。このような支援スタッフによる伴走型の支援の結果、シェルター利用者全員が、元の暴力のある場所へ戻るのではなく、新たな場所での生活を始めることができた。当該シェルターの利用者及びその同伴家族については、シェルターへ緊急避難したのちも可能な限り以前と同じような生活を送ることができるように配慮した。その結果、通学・通勤を継続できた利用者もいる。緊急避難によってこれまでの社会的なかかわりを断絶させることなく次のステップへの進むことができるため、社会的な孤立を予防することができたと考えられる。担任の協力と母親が車で伴走することで、楽しみにしていた修学旅行に参加できた小学6年生もいた。 

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
もともとは家族での避難を想定していたが、単身若年女性の利用希望者からの相談が2021年は急激に増え、単身若年女性も利用しやすい居場所の必要性を認識した。このことから、シェルター等の部屋数を増やすこと、より多様な利用者に対応できる複数タイプの部屋を用意し、必要な人々へ提供していく基盤を整えることが今後の課題である。 また利用者の相談内容から、実際にはより長期的に滞在することが可能な居場所を求めているということが明らかになった。つまり、緊急避難としての場所を挟むことなく、次の生活を始めることができる場所を必要としている。これに対応可能なのは、シェルターではなくステップハウスと呼ばれる、中長期滞在型の物であると考えられる。そのため、当団体としてはシェルターではなくステップハウスとしての部屋の提供体制を整えることが課題である。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://wn-kobe.or.jp/news/2517/



寄付してくれた人へのメッセージ
「ここに辿り着かなかったら、死んでいたかも知れない」「いつもホテルに逃げていたが、支援者もいないなかで、とんでもないことをしたという後悔で、自宅に戻っていた。今回はシェルターに来たことで、複数のスタッフからあなたの選択は間違っていないと声をかけられ留まることができた」皆様からのご支援によりシェルターを利用することができた方からこのようなメッセージをいただきました。本当にありがとうございました。