日本語を母語としない生徒・保護者のための学習支援、進路相談及び多言語による情報提供する事業

団体名 NPO法人多文化フリースクールちば

都道府県 千葉県

助成額 2,859,996円

活動開始日 2020/12/1

活動終了日 2021/12/31

助成金で行った活動の概要
①オンラインによる学習支援、進路相談、情報提供に関して。スクールの活動場所(千葉市国際交流プラザ)にパソコンとルーターを設置し、常に連絡を取れるようにした。同時に、スクール生や外部の生徒にもパソコンを貸し出した。これによって、本スクールでは9月のコロナ感染拡大第5波の時に3週間にわたってオンライン授業を行うことができ、影響を最小限に抑えることができた。また、現在は第6波に備えて準備をしている。②WEB上に高校入試・高校等の多言語による情報提供。「日本語を母語としない親と子どものための進路ガイダンス」実行委員会と千葉大学移民・難民プロジェクトの協力を得て、進路ガイダンスで使う冊子とその音声による説明を11言語でHP上に公開した。また、このことを千葉県内のすべての公立中学校に郵送で連絡をした。これで、だれでも・いつでも・どこでも多言語で千葉県の高校入試等の情報を得ることができるようになった。③ロールモデルとしての高校生へのインタビューに関して。6名の高校生に日本語でインタビューを行い、彼らの母語である英語、中国語、ペルシャ語、タイ語、スペイン語の字幕を付け公開した。今後、高校生だけでなく、大学生、社会人になった生徒も含めて内容を充実させる。④昨年早々、スクール生で体調を崩した生徒へのカウンセリングを、予定していたカウンセラーにお願いした。その後、その生徒は無事志望校に合格し、高校生活を送っている。また、他の学習支援団体にも呼びかけ、講師対象の研修会をオンラインで開催した。⑤本スクールへの学習・進路支援活動に関して。本スクールへの入会者は、来日1年未満の者が多いため、コロナの影響でやや減少している。現在までに25名が入会した。⑥本スクールのスタッフが中心的にかかわっている進路ガイダンスは、コロナ感染防止のため参加者を制限し行い、千葉県下3会場で292名が参加した。

活動日数 252

支援対象者実人数 493

支援対象者延べ人数 4868

参加ボランティア実人数 106

参加ボランティア延べ人数 243

本助成金による活動の成果
①本スクールのデジタル化が始まった。本スクールは、これまではデジタル化に対してはあまり積極的ではなかった。ただ、一昨年の新型コロナの拡大に対してデジタル化の必要性を感じ、貴助成によって事務局にパソコンを備え、通信環境が整っていない生徒にもパソコンを貸与できた。このことによって、コロナ拡大第5波の時にオンライン授業を行うことができ、その影響を最小限におさえることができた。これに続いて、オンラインで事業報告等を行うシステムが作り省力化が図られた。②遠距離等により進路ガイダンスに参加できない生徒や千葉県外や海外に居住する生徒に千葉県の高校入試や高校紹介などの情報をどう伝えるかがこれまでの課題であったが、新しいHPでこれらが入手できるようになった。また、新しいHPと進路ガイダンスの情報を県内すべての公立中学校や国際交流協会へ郵送で周知徹底した。③この一連のデジタル化の中心を担ってくれたのは学生インターンである。私たちがこれまで手を付けなかった分野を補ってくれたが、貴助成によって新しい技術との融合する機会が与えられた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
拡大する責務と業務に対して、スクールの組織体制は十分整っていないことが、最大の課題である。具体的には。スタッフ不足と財政不足である。スタッフ不足は、現在日本語・教科指導以外の業務は一人のスタッフとインター生で行っている。また、財政の収入は生徒からの会費(授業料)が中心であるが、コロナ禍で家計が厳しくなっているため、会費を払えないる生徒が増加している。生徒は広域から通学するため交通費(通学定期が使えない)の負担も大きく、会費を上げることはできない。「進路ガイダンス」や「佐倉ツアー」等については、ガイダンス実行委員会・千葉大学移民・難民プロジェクトとの連携を強め、また他の団体にも呼びかけて強化していく。これらを改善するためには、まず、多くの協力者・団体を見出し、賛助会員・団体制度などを導入する必要がある。このため、ホームページ等を活用し、広く支援を呼びかけられるシステムの導入を検討している。また、家計が苦しい生徒にはスクール内に作った「多文化ちば・とびたて基金」を外部化し、生徒の就学・進路サポートを強化していく。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://shiratani9.wixsite.com/npochiba/anounment
https://sites.google.com/view/multicultural-freeschool-chiba/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0



寄付してくれた人へのメッセージ
今年度は、本当に大変な一年でした。新型コロナウィルスの拡大、そして本スクールで一番多いアフガニスタン人生徒の母国での政権交代に伴う混乱・迫害・・・。そのような状況でも学習を続けられたのは、赤い羽根共同募金の助成金によるものだと思います。オンラインでの授業、そして11言語での情報提供・・・。その資金を提供していただいた皆さんに感謝したいと思います。本当にありがとうございました。