都道府県 千葉県
助成額 2,938,976円
活動開始日 2021/12/1
活動終了日 2021/12/31
助成金で行った活動の概要
千葉県内では、新型コロナウイルスの感染拡大による経済状況の悪化、勤務形態の変化などにより、携帯電話が止まっていて仕事ができない、仕事を解雇され社宅を追い出され住む家がない、夫が在宅勤務となり、そのストレスから、それまでおさまっていた家庭内暴力が再び悪化し、家を出たいが電話で相談することができない・・・、などの相談が、一昨年2月末より、多く寄せられてきた。新型コロナウイルスの感染拡大による影響が町企画することが予想され、居場所を失い、いのちと暮らしが脅かされる方々への対応が必要とされるものと考える。しかし、千葉県内には、ホームレスや生活困窮者を支援する団体、DV被害者の支援をする団体などが、もともと多くないこともあり、新型コロナウイルスの感染拡大以前から、居場所を失った人のニーズを受け止め、支援につなげていくことがなかなかできずにいるという実態があった。同時に、実際に居場所を失った、もしくは居場所を失いそうな多くの人々が、どんなに困っていても「たすけて」「ヘルプ」と声をあげる場、機会やチャンスが、近隣府県にくらべて、圧倒的に少ないという状態が続いてきた。 そこで、本事業では、徹底的に、街に出て、アウトリーチ（声かけ、物資配布など）を行い、相談から、支援、居場所の確保から、生活の再建にいたる一本道の支援をおこなうこととした。 千葉県内（とくに、松戸、船橋、柏、千葉などのターミナル駅周辺）において、ホームレス、生活困窮者を対象に、アウトリーチ（声かけ、マスク、食料の配布など）を行い、また、電話、LINEなどによる相談窓口を設置し、相談対応を行い、アウトリーチ、相談からの当事者ニーズの解決に向けた伴走支援（福祉事務所同行や、弁護士等との連携による課題解決へのサポート、食料、物資の提供、サロンなど社会参加の支援）を行い、住居を失った方へのシェルターの提供（県内2カ所、松戸市と千葉市、年末にかけ、部屋数が足りなくなり、松戸と柏に新規シェルターを設置）と、生活再建への徹底したサポートを行った。
活動日数 268
支援対象者実人数 73
支援対象者延べ人数 282
参加ボランティア実人数 17
参加ボランティア延べ人数 194
本助成金による活動の成果
本助成金により、緊急的な居場所として、シェルターを設置できたことで、支援の現場で多くある「今いる場所がない」という方々に、安全に居場所を提供し、そこから、生活再建への支援へとつなげていくことができた。現在、千葉県内には民間のシェルターが少なく、路上生活の長期化や、貧困ビジネスへの囲い込み、ＤＶや性被害の原因となっていることもあり、民間のシェルターの設置意義は大きかった。 シェルターを設置したことにより、刑余者、ＬＧＢＴ、ＤＶ被害者など、これまでより幅広い対象を支援することができ、連携する団体も以前に比べ、団体数、支援ジャンルともに倍増した。 当法人の団体としての信頼度もアップし、千葉県内に、以前よりも強いセーフティネットが構築できたように思う。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
シェルター設置に劇的な効果に比べ、新型コロナウイルスの感染拡大のなかでのアウトリーチは、これまでになく苦戦を強いられた。これまで、ターミナル駅や、駅周辺の商業施設、デパート、ゲームセンター、公園など、生活困窮者やホームレスの方々が、あたりまえにいた場所から、彼らの姿が消えた、というか見えなくなってしまっているという状態が続いている。感染症拡大の影響で、ただなんとなく街にいることが困難になり、これまでのように、声かけや物資配布などを行う人数が伸びなかった。今後も、感染拡大が続くことが予想されるため、対策を講じていきたい。一方、ＬＩＮＥなどのＳＮＳや、メール、フォームなどを通じた相談やＳＯＳは増えており、トータルでの支援件数は目標を超えることができた。 今後も、シェルター運営をベースに、多様な相談受入の方法を構築して、支援にあたりたいと考える。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/deepdemocracycenter
http://www.deepdemocracy.center/?p=1033
寄付してくれた人へのメッセージ
みなさまの思いの表れが、私たちのような小さなNPOの活動のエネルギーです。制度からこぼれ落ちる人を支えるためには、みなさまのご協力が欠かせません。昨年は、みなさまのご協力により、コミュニティシェルター（民間シェルター）の設置、運営ができました。ご協力・ご支援に心よりお礼を申し上げます。