都道府県 兵庫県
助成額 3,000,000円
活動開始日 2020/12/1
活動終了日 2021/12/31
助成金で行った活動の概要
対象:コロナ禍による生活困窮のために居場所を失った外国人活動①:【多機関との連携による居住支援=相談支援×居場所支援×学習支援】NGO神戸外国人救援ネットが窓口として相談を受け、居場所の必要な外国人にはPHD協会が事務所2階・3階にあるシェアハウス内の居室を提供した。相談支援活動:NGO神戸外国人救援ネット及びPHD協会による電話相談等 (2020年12月~2021年12月)居場所支援活動:PHD協会による居住支援、シェアハウスにおける居室提供(3部屋・定員9名)。居室提供だけでなく、食料支援や生活相談、就労や在留資格に関するサポートも実施した。(2020年12月~2021年12月)学習支援活動:自立のための日本語教室日本語教師による日本語指導を行う。時期や内容などは入居者のニーズに合わせオーダーメイド型で実施。ボランティアによる日本語練習の機会も設けた。(2020年12月~2021年12月)活動②:【つながりづくり活動=多機関連携による情報拡散×アウトリーチ】 困窮度が高い外国人は地域社会や人間関係から孤立しているケースが多い。本事業では、孤立する外国人にも、相談窓口及び居住支援活動に関する情報が届くよう、情報拡散及びアウトリーチ活動を実施した。具体的には下記4つの活動を行った。つながりづくり活動:1.多言語センターFACILとの協働による多言語チラシの作成(2020年12月~2021年1月)⇒相談窓口及び居住支援事業の概要を紹介するチラシを多言語で作成(500部)。 2.PHD協会によるアウトリーチ活動(2021年1月~12月)⇒神戸市長田区を中心に外国人が集う飲食店や宗教施設、日本語学校を訪問し、チラシの配布及び居住支援活動について説明を行った。また、困窮する外国人についての聞き取りも実施し、支援の必要な方がいれば居住支援活動につなげた。訪問時にはマスク着用、手指消毒、社会的距離の確保など新型コロナウイルス感染症対策を徹底した。 3.Facebookの有料広告を活用して、本事業(多言語チラシとシェアハウス紹介動画)に関する紹介と情報拡散を行った。 4.多文化・多言語コミュニティ放送局エフエムわいわいと協働で居住支援活動の紹介動画を作成した。動画にはベトナム語の字幕を付けた。(2021年11月~12月)⇒動画は当会のHP及びFacebook、Youtubeチャンネルにて広報に活用した。またFacebook有料広告でも広報した。
活動日数 239
支援対象者実人数 143
支援対象者延べ人数 788
参加ボランティア実人数 2
参加ボランティア延べ人数 26
本助成金による活動の成果
本事業では下記の成果を達成した。【相談窓口・居住支援】・NGO神戸外国人救援ネットの相談窓口:対応件数305件 ・PHD協会による居住支援:生活・居住に関する相談対応件数延べ386件(相談対応実人数114人)(入居成立10件、当会シェアハウス以外の民間住宅への入居も含む)・シェアハウスの整備、環境改善(机・椅子セット、アクリルパーテーションを購入)【日本語学習支援】・日本語教師による日本語教室:2時間×40回、計29人(延べ71人、4か国)を対象に実施した。・ボランティアによる日本語教室:シェアハウスに入居するミャンマー人及びベトナム人を対象にボランティア2名による日本語会話レッスンを13回を行った。【広報】・神戸市内で外国人が集う飲食店や宗教施設、日本語学校を57件を訪問し、外国人コミュニティに対する聞き取りと支援活動についての広報を行った。・相談窓口・居住支援に関する多言語チラシを作成した。(日本語、英語、ビルマ語、ベトナム語、インドネシア語、中国語、ネパール語、ウルドゥー語、アラビア語、ポルトガル語の10言語)・居住支援活動の紹介動画をベトナム語の字幕付きで作成し、当会のYoutubeチャンネルで公開した。本動画については、今後も継続的に広報に活用していく。・Facebook有料広告を用いて支援活動の紹介を3回行った(多言語チラシの広告2回、シェアハウス動画紹介1回)。(計24,192リーチ)・当会のFacebookに支援活動の紹介を2回、活動完了報告を1回投稿した。(480リーチ)【他団体とのネットワーク形成】・本事業を通じて、神戸で長年、外国人支援を行っているNGO神戸外国人救援ネット、エフエムわいわい、多言語センターFACILとの連携を強化することができた。今後も連携関係を維持し、各団体の強みを生かしながら外国人支援活動を実施していく予定である。上記の成果のとおり、本事業を通じて脆弱な立場にある外国人の生活支援、居住支援を行い、「誰一人取り残さない社会」の実現に貢献できたと考える。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
本事業から見出された主な課題は以下の3点である。1.在住外国人の脆弱性:相談支援及び居住支援活動の中で、長期化するコロナ禍で困窮する外国人からの相談を多く受けた。もともと社会的に弱い立場にある外国人は、コロナ禍の影響を特に大きな影響を受けていることが浮き彫りとなった。今後も継続的に相談対応と居住支援を実施する。2.日本人スタッフによる支援の限界:当会では日本人スタッフがやさしい日本語及び適宜、通訳者・翻訳者を介して支援活動を行ってきた。しかし、相談対応の中の細かな情報のやり取り、相談者の文化的背景の理解において限界を感じることがあった。また、外国人の情報源として母国語SNSコミュニティの存在が大きいことが分かったが、日本人スタッフではSNSコミュニティ上で情報を把握、発信することは難しい。今後はニーズの高いベトナム及びミャンマールーツのスタッフを雇用し、より充実した支援体制を目指す。3.自立のための総合的支援の不足:住居を確保した後の次のステップは就労である。しかし、日本語能力が低ければ、安定した就労先を見つけることは難しい。居住支援と並行して日本語学習支援や就労支援などが必要であるが、現状では総合的な支援を実施している支援機関は少ない。今後も居住支援に加えて、日本語学習支援及び就労支援を行い、自立に向けた支援に注力したい。また、2022年度からは特定技能介護の分野でも就労支援を行っていく予定である。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://www.phd-kobe.org/news/%e3%80%90%e8%b5%a4%e3%81%84%e7%be%bd%e6%a0%b9%e6%96%b0%e5%9e%8b%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e6%84%9f%e6%9f%93%e4%b8%8b%e3%81%ae%e7%a6%8f%e7%a5%89%e6%b4%bb%e5%8b%95%e5%bf%9c%e6%8f%b4%e5%85%a8%e5%9b%bd/
https://www.facebook.com/page/1585555021760099/search/?q=%E8%B5%A4%E3%81%84%E7%BE%BD%E6%A0%B9
寄付してくれた人へのメッセージ
この度は、居場所を失った人への緊急活動応援助成へのご寄付をいただきありがとうございました。皆さまの温かいご支援のおかげで、コロナ禍により困窮する在住外国人の相談対応、居住支援、生活支援、日本語学習支援等を行うことができました。 PHD協会のシェアハウスに入居された外国人の方の中には、所持金はわずかで「その日に寝る場所がない」という方もおられました。その方はシェアハウスに入居し、落ち着いた環境で就職活動に取り組み、笑顔で新しい就職先へと旅立って行かれました。 当会では、今後も脆弱な立場におかれる在住外国人の方たちのための居住支援、生活支援に取り組んでまいります。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。