都道府県 愛知県
助成額 2,573,744円
活動開始日 2020/12/1
活動終了日 2021/5/31
助成金で行った活動の概要
新型コロナウイルス感染症の影響が長引くなか、以前より多少は緩和されつつあるものの、未だ各国政府は厳しい出入国制限を設けているため、国境を超えた人の往来が困難なままである。そのため、日本在住外国人のうち、所属する学校を卒業した留学生や、離職・退職した外国人労働者で、2020年3月以降に帰国予定だった者は、法務省の指示により在留資格を「短期滞在」に変更し帰国できる日を待っているが、原則その間の就労が認められず、滞在期間が長引き生活困窮に陥る人が増えている。こうした背景をもとに、本事業では、新型コロナウイルスの影響で帰国困難となり、一時的な受入れ施設として禅寺・相生山徳林寺（名古屋市天白区）に身を寄せている在日外国人を対象に、彼・彼女らが無事に帰国するまでの間、医・食・住の提供を中心に、生活に必要な環境を整備するとともに、滞在期間の生活相談や各種情報提供、心理的ケア等を行い、学校や職場を離れ住居（寮）と収入源を失った人々が、帰国までの間に路上生活を余儀なくされた、生活困窮に陥ったりすることのないよう支援を行なった。また、徳林寺における受け入れ人数等の問題から、入居待ちになっている人や食料提供のみを必要とする人も多数いることから、関連団体を通じて支援要請を受けた「在宅避難者」への生活支援物資の提供にも取り組んだ。
活動日数 182
支援対象者実人数 200
支援対象者延べ人数 3,000
参加ボランティア実人数 40
参加ボランティア延べ人数 290
本助成金による活動の成果
本助成金の活用期間である2020年12月〜2021月5月の６か月間の支援対象者は、徳林寺における入居者が約50名（ベトナムと中国）、民間シェルターにおける入居者が2名（インドネシア）、関係団体を通じた県内の在宅避難者が約150名（主な国籍はブラジル、ペルー、フィリピン等）であった。この間、ベトナム人帰国困難者については、12月初旬にベトナム政府の緊急帰国便によりほぼすべてが帰国の途についたが、その後はベトナム本国での入国規制が強化されたことにより受け入れを求める人々が徐々に増加した（これは2月中旬にベトナムで旧正月による国内外からの帰省希望に応えるためであった）。４月中旬に再び帰国便を通じて大勢帰国したが、5月には過去にないほどベトナム国内での新型コロナ感染拡大が起こり、国際線の運航停止となるなど、ベトナムの感染状況等によって支援対象者が大きく増減した。このような中でも、本助成金を得られたことで安定した支援活動を行うことができ、5月末までに帰国した50名全員が新型コロナウイルスへの感染はもとより、体調を大きく崩すこともなく、大きな怪我もなく、無事に帰国することができた。帰国後に、本人やご家族からの感謝のメッセージも多く寄せられた。また、愛知県内の関係団体5団体を通じて約150名の在宅避難者（生活困窮者）への食糧提供を行い、広範囲にわたる支援ができたことに加え、関係団体との連携も強化された。今後も引き続き、必要な支援について関係団体間で情報共有や相互協力が行えることとなった。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
本事業は2020年4月にベトナム人帰国困難者への一時的支援としてスタートしたが、その後、新型コロナウイルスの影響が継続・拡大するにつれ、在留資格変更による再就職支援や、在宅避難者（生活困窮者）への食糧支援等へと展開することとなった。帰国困難者支援においては、ベトナム本国の感染状況の変化や、それに伴う緊急帰国便の増減、また2021年1月下旬からは帰国後の指定宿泊施設における隔離生活（2〜3週間）にかかる費用が高騰（10〜40万円）するなど、さまざまな要因に対応していく必要が生じた。いずれも私たちのようなNPOで解決できる問題ではないため、彼らの窮状を日本・ベトナム両国の政府関係者に理解のうえ対策を講じていただきたい。また今回、宗教上の理由等から徳林寺以外でのシェルター確保の必要性が生じたが、在留資格（短期滞在）の特性から住民票がもてない人に住居を提供することが非常に困難であった（結果的に、民泊業者の理解と協力を得ることができた）。法制度によって公的支援対象外となる人々への支援策についても行政等に再考を促したい。さらに関係団体からは、緊急小口資金等の貸付を得た人々の中に、未だ職を得られず今後の返済が困難である人が少なくないという声が寄せられており、そうした人々への継続的な支援が今後の課題である。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://note.com/mrct/n/n4c746c88d7b7
