経済のため住まいを失った人、自宅での居場所を失った子供たちへの緊急避難事業

団体名 社会福祉法人 巣立ち会

都道府県 東京都

助成額 3,000,000円

活動開始日 2020/12/1

活動終了日 2021/12/28

助成金で行った活動の概要
コロナ禍における居場所支援として、宿泊を提供できるものと、日中の居場所を提供するものと大きく2つの柱建てで事業を行った。宿泊の提供に関しては思ったほど、生活困窮による利用はなかった。広報は市の(三鷹市と調布市)生活保護課や生活困窮の係、児童青少年課などに行った。生活困窮の窓口で、本年の家賃に関する助成は例年に比べて(数百万)70倍以上の予算措置(数億)をしていて、昨年、事業を行った限りでは家賃が払えなくて住まいを失いそうというケースの相談は1件もなかった。多かったのは虐待のケースで、利用した3件中2件が同じようなケースであった。もともと家族と同居していたが、その同居の家族が暴力などが増え、自宅での生活が困難になったというものだった。どちらも兄による暴力で、市の職員からの相談で、緊急に保護する形での入居であった。同様のケースの相談は他にもあり、暴力がそれほどでなかったケースは利用にまでは至らなかったがコロナ禍での閉塞的な生活がもたらした現象と考えられる。それはもう1件のケースでも同様であり、実家で同居している母との確執があり距離を置いて生活していたが、どうしてもコロナによる外出自粛で在宅の時間が長くなり感情がかき乱されてしまうとのことで利用となった。日中の居場所に関しては合計12名の利用者が月平均で11名の利用をしている。コロナ禍の状況では不安で外に出られない人がいる一方で、自宅への閉居ではかえって気分が落ち込み不調になる人が多く、そのように感じている若者が多く、この居場所を利用していた。スタッフと話をするだけの短時間の利用や利用者同士のコミュニケーションを求める利用など幅広い利用目的があったように見受けられる。

活動日数 602

支援対象者実人数 15

支援対象者延べ人数 178

本助成金による活動の成果
当初の予測、家賃が払えず、住まいに窮する人が思ったほどではない(ホームレス支援団体もホームレスはそれほど増えてはいないとのことである。)ことは国の手当てがあっての結果とはいえ、国民にとっては良かったことと考える。しかし、この1月現在、コロナが収まるどころか急激な増加を示している現状から、この家賃助成がいつまで続けられるのかによって、ホームレスやそれに準ずる人たちが放出される可能性がまだまだ十分にある。こうした事業が準備されていることが人の安心につながることは確かである。今回の宿泊の利用者三人のうち二人は、同居の家族による虐待であった。二人とも、緊急避難的な利用であったため、一人は三鷹、一人は調布であったが、両行政から感謝された。二人とも、その後障害福祉サービスに切り替え、グループホームに入居となっているが、一人はすでにグループホームを出て、一人暮らしを開始している。この事業を利用したことで、新たな人生を踏み出すきっかけになっていると考えられる。残りの一人もこの事業で精神的な落ち着きを取り戻し、アパートの単身生活に移行して転職もし、今は安定して暮らしている。日中の居場所については様々な事情で、利用をされているが、学校に行けない事情のある青少年がいられる場所は意外に少ない。コロナ禍で、家庭内では葛藤や家庭内トラブルが生じ、安定的にいられる場所を求める若者たちは多くはなかったが、一定数いた。彼らにとって、勉強を教えてもらったり、仲間との緩やかなコミュニケーションを持てたことはこの期間の彼らの精神的な安定と将来にわたる可能性の確保に大きく役に立ったと考える。この居場所がこれからも継続的に存続すれば、継続する人たちも一定数いることは予測できる。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
残念ながら、コロナはまだ収束の気配を見せていない。事業開始当初にあった事業課題、生活困窮者も含めた社会的な弱者がこのコロナ禍で、安定した生活を脅かされる可能性は全く減っていない。事業実績からすると、弱者が虐待のため、家庭内にとどまることがむつかしくなる可能性は高まりこそすれ、治まる可能性は低い。居場所についても、周知に時間がかかるため、実績は少なかったが、継続できればニーズは高いと考えられる。今後、この若者の居場所については中央募金会の助成の応募を考えている。昨年三鷹駅近くに、新しい事業所を建設したため、その事業所で居場所機能を持つことは可能であるため、若干に備品類は必要だが、部屋を借りることなく事業を継続させることは可能になる。ぜひ事業を継続させたいと考えている。宿泊については今回のような募集があればぜひ検討したいと考える。スピーディーに対応できる宿泊の施設は社会的な弱者のためには非常に重要な社会資源である。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://sudachikai.eco.to/katudou/katudou_20220125.html
https://twitter.com/sudachikai/status/1485848137000382466



寄付してくれた人へのメッセージ
赤い羽根共同募金にご協力いただき、ありがとうございます。この基金で、私たちは社会で弱い立場にいる、生活困窮者・障碍者・子ども・女性などに居場所や住まいを提供し、安心して、自分自身を脅かされない空間を確保するための事業を行うことができました。皆様に心から感謝いたします。