都道府県 広島県
助成額 1,877,425円
活動開始日 2020/12/1
活動終了日 2021/12/31
助成金で行った活動の概要
・当団体の活動範囲である、広島市周辺市町は以前から多様な外国人が定住しているが、近年は、技能実習生をはじめ労働者の定住が増え、内陸・島嶼にも居住域が広がる中で、コロナ禍となり、一層、地域内の孤立を深め、トラブルも増えている。・そこで、当団体が18年間続けてきた相談事業や支援と交流事業に加え、この度の助成を得て次の3事業に取り組んできました。 ①食と交流の居場所づくり・「からふるカフェ」と「食品配布」 毎月、フードバンクに出向き、受け取った食品を手分けして孤立した技能実習生、留学生等に配布している。加えて、毎月、「からふるカフェ」を開催し、外国人と日本人が集い、地域・生活情報を共有し、専門家による健康教室・日本語教室を開催すると共に非常食等を配布している。 ②多言語情報ポータルサイトづくり ・LINE外国人相談 新たに公式LINE登録して、「外国人LINE相談」のポータルサイトを立ち上げ、以前からある当団体のHPをリニューアルして、これとリンクさせた。 ③就労およびキャリアアップ支援 ・外国人労働者の就労支援 当地域の外国人労働者の大半を占める「技能実習生」の「特定技能」への移行を容易にし、地域の担い手にもなってもらいたいとの思いで事業を始めたが、コロナ禍で、技能実習生の解雇や失踪、シェルターでの保護、労災、組合交渉、労働審判事例が出、定住者・永住者の離職者のための求職活動と住宅さがし等も加わり、緊迫した案件が連続し、キャリアアップに取り組む体制まで出来ずにいる。
活動日数 294
支援対象者実人数 221
支援対象者延べ人数 230
参加ボランティア実人数 91
参加ボランティア延べ人数 117
本助成金による活動の成果
・当該3事業活動毎に、その成果を振り返ってみると、①食と交流の居場所づくり・窮地にある外国人にとって、何より大切な食材を手元に届けることが出来たことは、大きな安心材料となり、支援する側との信頼関係も深まり、本人と家族の現状把握が進み、生活相談の端緒にもなり、早期の対応が可能となるなどの成果があった。・加えて、食材を届けるための関係団体との協力関係(手から手へのバトンタッチ)が強化され、互いの情報共有も進んだ。「からふるカフェ」も、コロナ対策を講じながらも、健康教室その他セミナー及び軽食の提供や非常食等の持ち帰りを続けたところ、外国人も国の特産を持ち込み解説するなど心身ともにリラックス出来る文化交流を楽しんだ。 ②多言語情報ポータルサイトづくり LINE外国人相談開設とHPとのリンクで多言語対応が可能なシステム作りは出来てきたので、これからの各国語話者の張り付けと専門家との連携強化を進めたい。 ③就労およびキャリアアップ支援 上記の通り、在留資格もその置かれた立場もまちまちな外国人の仕事がらみのトラブル相談を受けて改善策を講じ、実践するためには多くの窓口を回り、専門家の力を借りる必要があった。それこそ、手から手へのバトンタッチで何とか窮地を脱することが出来たときは安堵すると共に大きな達成感が感じられた。しかし、一方、これまで、このような実態に気づかず「待ち」の姿勢でいたことを猛省している。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
・これも、当該3事業活動毎に、見えてきた課題と今後の取り組みについて記します。 ①食と交流の居場所づくり ・フードバンクに取りに行って、持ち帰り、生鮮食品と保存のきく物を分け、それぞれのユーザーの嗜好も考慮して分配する作業は、結構時間がかかり、賞味期限と競争の作業となります。欲を言えば、近隣の食品製造会社に声を掛けて、持ち込んで頂き、当団体自らフードバンクの機能を果たしたいところです。今の倉庫と駐車場を少し広げて実現を目指したい。・「からふるカフェ」も、ソーシャルデイスタンスを意識すると人数制限が厳しくなりますが、なんとか借家してでも広いところでコロナ禍でも定期開催したい。そして、生活トラブル対策を盛り込んだセミナーを充実させ、相談体制も整えたい。 ②多言語情報ポータルサイトづくり ・在住外国人が平素から使っているスマホを接点にして、早い機会に制度やトラブル対策のノウハウを知らせ、相談を受け、専門家にもつなぎたいので、技術専門家を雇い実効性の高いポータルサイトを目指す。 ③就労およびキャリアアップ支援 ・支援の実績を整理し、見える化するとともに、システム化を図り、スタッフの研修も充実する必要がある。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://h-asian.org/history/
寄付してくれた人へのメッセージ
2年を超えるコロナ禍の中、ただでさえ困窮している在住外国人の生活、就労環境は日増しに地域と人のつながりを欠く中で日増しに悪化しており、対面型の支援とオンラインでの情報提供と相談も一層必要性を増しています。共同募金会に集まった皆様の支援により平素の支援に及ばないところまで手を差し伸べ助けることが出来ましたことを心より感謝しております。