都道府県 東京都
助成額 2,860,000円
活動開始日 2021/4/1
活動終了日 2022/3/31
助成金で行った活動の概要
本事業では、イスラム教徒を中心とする在日外国人に対して①ポータルサイトでの情報提供・更新を行うこと、②オンラインや電話での相談窓口を設けて駆け込み寺としての役割を果たすこと、③ハラル対応のフードバンクを実施すること、④通訳兼相談員として在日イスラム教徒を雇用し、母国コミュニティへの知見の還元に繋げること、の4つを行いました。これらを通じて、コロナ禍で困窮しているイスラム教徒を中心とする在日外国人に、情報・相談相手・食料を提供すると共にそれぞれの母国コミュニティでの共助の中心となる人材の育成、彼らのセーフティネットとして包括的に支援の網を構築することを目指しました。①では、ポータルサイトのより利用しやすい設計に加え、開設当時とは情勢も変化している為、行政による支援やワクチンの情報更新を行いました。また、より多くの人に情報提供していく為にも、オンライン広告等によりアクセス数を累計9000アクセスまで伸ばしました。②では、想定していた以上の問い合わせがあり(特に新型コロナウイルスの感染者の増加に伴い)、532名に個別相談支援を提供しました。相談件数も増える一方で、途中で連絡が取れなくなってしまう人も多くみられました。③では、八王子モスク、千葉イスラーム文化センターと協働し累計340名の方にハラルフードの食料を提供しました。また、4月以降は株式会社オイシックス・ラ・大地様に食料品の寄附を頂いて実施していく予定です。④では、これまでの活動を通じて出てきた新たな課題である通訳問題の解決と将来的なイスラムコミュニティの共助の中心的な担い手の育成を目指して、在日イスラム教徒4名を、当法人の通訳兼相談員として雇用し、研修や相談対応・通訳での実務経験を通じて育成を図りました。結果として累計72件のケースを担当してもらい、日本人相談員がサポートに入りながら、政府の経済支援の手続きなどを主に行いました。今後、団体として継続的に雇用するか現在検討中です。
活動日数 365
支援対象者実人数 872
支援対象者延べ人数 1,287
参加ボランティア実人数 37
参加ボランティア延べ人数 52
本助成金による活動の成果
①では、ポータルサイトのより利用しやすい設計に加え、開設当時とは情勢も変化している為、行政による支援やワクチンの情報更新を行いました。具体的には、定期的なnews更新、経済支援ページ・食料支援ページ・ワクチン接種ページの更新、問い合わせの多いテーマの簡易ページの作成になります。また、より多くの人に情報提供していく為にも、オンライン広告等によりアクセス数を累計9000アクセスまで伸ばしました。②では、想定していた以上の問い合わせがあり(特に新型コロナウイルスの感染者の増加に伴い)、532名に個別相談支援を提供しました。相談件数も増える一方で、イスラム教徒以外からの問い合わせも急増し、4割程度は非イスラム教徒からの相談でした。主には、経済困窮と新型コロナウイルス感染に関するものでした。一方、希死念慮の高い相談者や難民申請者など従来通りの支援では不十分かつ緊急性の高い相談も寄せられるようになり、他団体と協力して支援しつつ顧問弁護士としてどこまで支援するのか現在検討を進めています。③では、八王子モスク、千葉イスラーム文化センターと協働し累計340名の方にハラルフードの食料を提供しました。主にモスクにて食料を配布する形式をとっていましたが、3月には当法人事務所で在日外国人全体を対象に食料の配布会兼相談会を行いました。本件では、申し込みが100名を超え、当日72名の方に食料提供34名に相談支援を実施しました。今後はモスクでの配布を継続しつつ当法人事務所でも配布を行う予定です。食料についても株式会社オイシックス・ラ・大地様に食料品の寄附を頂いて実施していく予定です。④では、これまでの活動を通じて出てきた新たな課題である通訳問題の解決と将来的なイスラムコミュニティの共助の中心的な担い手の育成を目指して、在日イスラム教徒4名を、当法人の通訳兼相談員として雇用し、研修や相談対応・通訳での実務経験を通じて育成を図りました。結果として累計72件のケースを担当してもらい、日本人相談員がサポートに入りながら、政府の経済支援の手続きなどを主に行いました。今後、団体として継続的に雇用するか現在検討中です。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
①では、引き続き情報の更新を行いつつ、相談者数の急増を受け、利用者が出来る限りHPの情報で出来る限り問題を解決できるよう、検索機能や自動応答botの構築などを検討しています。②では、地方在住の方や難民申請者など現状では支援が難しい種類の方が一定数存在します。地方については、各地方における遠隔のボランティア相談員育成や食料などの郵送費用の捻出などを検討しています。難民申請者などは、そもそも生活の継続が不可能な為、家賃支援や恒常的な食料支援などが緊急的に必要なケースが多いです。ケースによって事情が千差万別の為、難民問題専門の顧問弁護士と各ケース毎に会議の場を設けていきます。また、定常的な家賃や食料の支援の為のファンドレイジングも行っていく必要があります。③では、既に4月に一度オイシックス・ラ・大地様からの食料寄附により食料の配布会を行いました。ただ、オイシックス・ラ・大地様からの寄附も受け取るまで内容や量が分からない為、一社だけでは不安定な食料供給になってしまうことが分かりました。ハラル対応のハードルをクリアしている食料品を寄付していただける企業への渉外活動が今後必要になっていきます。また、上述しましたが遠方の相談者(特に難民)などには配送手段がないため、郵送する費用を獲得する必要があります。④では、相談経験を積むことはできたものの、日々更新していく政府の支援情報や日本ならではの税金や保険、教育、労働の仕組みなどを理解する必要があることや行政窓口や社会福祉協議会、他の支援期間などとのコミュニケーションが難しいことなどがあり、日本人相談員と同等の支援をできるようになることは難しいことが分かりました。今後の通訳の立ち位置や活用方法などは内部で検討すると共に、モスクの代表者やイスラム教学者なども交えたコミュニティのレジリエンスを高める取り組みを別途企画していく予定です。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://accept-int.org/information/#all_news
https://www.facebook.com/AI.assistance.service
寄付してくれた人へのメッセージ
当法人はこれまで、コロナ禍の在日ムスリム・外国人に対して情報提供・相談支援を行ってきました。相談者への多様な生活課題に対して、きめ細やかな支援を提供する事を目指し、本助成によって支援の幅や相談対応人数の補強などを拡大する事ができました。どの相談者も1人では解決できない課題を抱えながら何とか日本で生活を営んでおり、中にはいのちの危機にある方もいました。また、異国で新型コロナウイルス感染症に感染してしまい、不安の中1人孤立している方もいました。そのような方に1人でも多く辿り着き、少しでも生活改善の助力になれたことが団体としても喜びです。相談者からは「日本で誰も助けてくれなかったがアクセプトがいてくれて、ムスリムの味方になってくれて本当にうれしい」といったお言葉を寄せて頂きました。ご支援いただいた皆様の温かなお気持ちによって、我々は取り残されがちな在日ムスリム・外国人に支援を提供できました。本当にありがとうございました。