外国にルーツのある人々へのとぎれない生活支援 多文化セーフティネット事業

団体名 特定非営利活動法人 伊賀の伝丸

都道府県 三重県

助成額 1,420,000円

活動開始日 2021/4/1

活動終了日 2022/3/31

助成金で行った活動の概要
■地域団体への支援 1)市社会福祉協議会 8件・フードパントリーなどの食糧支援時や相談対応時に、通訳や多文化コーディネーターが仲介し、困窮状態の詳細確認や連絡方法のアドバイスなどを行った。・外国人向け防災教室の事業企画時、在住する外国人の人数や使用言語、参加しやすい日程や興味の持てる内容などについてアドバイスをした。 2)地域食堂/こども食堂/フードバンク団体など 7件・参加よびかけチラシの翻訳・イスラム教の方の食べられないもの(調味料や調理方法にも気を付ける)などの注意点、文化的な違いの好き嫌いなどをアドバイスし、受付時のやさしい日本語での対応なども伝えた。また参加していた子どもの事について相談を受けたので、アドバイスするとともに、外国人には言葉以外にも、在留資格や制度の壁があることを伝え、当団体で相談を受けることが出来ると伝えた。 3)弁護士、学校、困窮者支援NPO、行政窓口担当者などとの連携とサポート 16件・県外の弁護士から、「被支援者は地元三重県での支援がなければ、生活することが出来ず、追い詰められている。」と相談があり、弁護士との連携を密にし、対応にあたった。・生活困窮などから高校中退を検討している生徒家庭と学校とのコミュニケーションを支援したり、困窮者支援NPOに外国人によくある困りごとを伝えるなどのサポートをした。■外国にルーツのある人々への直接支援 553件・生活全般の相談と支援・母子家庭や残業が減ったり失業し食事に困る家庭へ、フードバンクも活用した食糧支援・家族の支援が得られず、精神的にも課題を抱えている生活困窮者の居場所(宿泊)確保と生活支援・コロナ感染症による自宅療養者などへ、食糧やドリンク・ゼリーなどの緊急支援・調停/行政などの相談窓口/病院やクリニックへの連絡や同行支援・相談先/支援先の案内発信

活動日数 260

支援対象者実人数 137

支援対象者延べ人数 584

本助成金による活動の成果
■地域団体への支援・社会福祉協議会が実施する食糧支援時に通訳やコーディネーターが入ることで、住所やアレルギーの確認など、安心して外国の方にも活動を拡げることができることを実感してもらえた。年度途中から、翻訳料の予算を確保頂いたようで、多言語での発信を積極的に行ってもらえた。今後も連携予定である。・各種団体や弁護士との連携では、外国人の文化背景などを伝えたことで、きめ細やかに支援することが出来た。一時は自暴自棄になっていた当事者も、落ち着いて生活ができるようになった。・子ども食堂やフードバンク活動団体が翻訳を活用することで、外国ルーツの家庭にも案内が届き、食糧支援の対象者を拡げることができた。コロナ感染が落ち着いてきた今、学習支援のチラシにも翻訳を活用すると団体から報告を頂いた。私たちNPOのできる支援を知ってもらうことが出来、今後も連携を確認した。・2022年度外国人防災リーダー養成講座を社協とNPOで実施する際、アドバイザーとして当団体が参画する予定である。今後も地域の多文化共生や外国人支援に、当団体の専門的なサポートを使っていただく素地が拡がった。■外国にルーツのある人々への直接支援・文化背景、生活背景を知る多文化アドバイザー等が相談を受けることにより、スムーズで適切な解決策へと導くことができた。コロナに感染した自宅療養者への食糧支援など急を要する案件も多かったが、機動的に対応することで、安心して療養してもらうことができた。・困窮家庭への食糧支援では、社協などでは期間や回数に制限があったため、家庭状況を確認したうえで配布した。フードバンクの食糧だけでは、お菓子などに偏ることもあったので、購入した缶詰やレトルト食品なども届けた。今日食べることが出来ないといった不安をなくすことが出来た。・支援と共に相談先を記載したチラシを配布し、食糧支援は申込をWebでできるようにしたことで、必要な人に情報が届きやすくなった。今後もつながるきっかけを作ることができた。・頼る親族がいない高齢者や自立が困難な人には、医療機関やカウンセリング受診にもつなぎ、継続して同行することで、費用の支払い(当団体の寄付金から支出)や医師等とのコミュニケーションの不安を軽減して治療を受けてもらい、自立へ向かってもらえた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
■地域団体への支援・通訳翻訳の必要性や有効性はわかっていただけたが、予算化できる団体と予算化できない、もしくは難しい団体もある。今後はその資金を誰がどう調達するか、当団体の活動とも含め一緒に検討していきたい。・多文化に特化していない支援団体では、外国人の文化背景や生活背景をほとんど知らないことを実感した。「やさしい日本語」での会話や、生活背景を知った上での対応など、今後は団体向けや地域の自治組織などを対象としてセミナーを開催したい。■外国にルーツのある人々への直接支援・居場所支援や受診支援を必要とする人が想定より多かった。依存症や精神病など専門知識を必要とする案件も多く、その都度学びを重ね、一定対応できたと思うが、まだまだ足りない。また対応できる人材も限られており、今後、支援者の育成や学びの機会の確保、支援者間の情報共有等の連携方法など、支援方法の開発が必要である。・事業は終了するが、支援が必要な人が減ったわけではない。この1年は、少ないスタッフで、多くの支援にかかわってきた。今後は、「支援の拡大」というよりも、誰一人取り残さないための丁寧な支援のために、振り返りや事業の組立て直しに取り組みたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.tsutamaru.or.jp/akaihane2021/
https://blog.canpan.info/tsutamaru



寄付してくれた人へのメッセージ
寄付して下さったみなさまの温かいお気持ちと共に、誰一人取り残さず、ひとりでも多くの方が笑顔になれるようこの事業を精一杯実施してきました。生存確認をしなければならなかった若者が、穏やかな顔で美味しそうにご飯を食べる姿を見られたときは、この事業をさせて頂けて良かったと本当に思いました。ご支援していただいたみなさまのおかげです。ありがとうございます!今も「支援がないと生きる事すら大変」になってしまう人は、地域にいます。おたがいさまの気持ちで伴走を続けていきます。どうぞ、これからも応援ご支援よろしくおねがい致します。