都道府県 神奈川県
助成額 2,397,799円
活動開始日 2021/12/2
活動終了日 2022/12/30
助成金で行った活動の概要
①被害当事者(障がいのある方も含む)がものつくりをツールとした「いつでも来ることができる居場所」兼「緊急週末シェルター」の利用時間とスペースの延長と拡充、及び運営。(常駐スタッフ:2.3名/週5日、定員5名)シェルター活動時は夜間スタッフ1名「ものつくり」をツールとした支援の意味「潜在的被害当事者」の声を拾いあげるためのコミュニティの場、被害当事者が地域内外の人との繋がりを持てるキッカケの場、地域への理解と周知の為の情報発信(常駐スタッフ2,3名/週5日)②相談窓口、居場所開催時間:月曜日~金曜日10:30~18:00、週末緊急シェルター実施日時:土日・祝日(緊急の場合は適宜対応)24時間③必要に応じて、精神保健士や社会福祉士、介護福祉士等の専門家による心身のケア及びカウンセリングと助言(週1回対面での相談対応)当事者の都合に合わせて、メール、オンラインでの対応を適宜実施。④社会復帰(アフターケア)後の自立に繋げる為の就労相談、就労スキルの習得支援と地域イベントへの出店参加を通した就労体験。(常駐スタッフ:2名/イベント開催日、定員2名)⑤二次被害(たらい回し)の防止の為、民間レベルでのセーフティネット基盤つくり、及び、地域で活動する関係団体とのネットワーク構築するためのハイブリット「交流会(ソーシャルワーク研究会)」の定期開催(隔月)実施。
活動日数 260
支援対象者実人数 47
支援対象者延べ人数 858
参加ボランティア実人数 3
参加ボランティア延べ人数 29
本助成金による活動の成果
①今までは週に2回の活動日の実施をしていたが独立した当団体のアトリエを構え、週5日地域一般の方にも開室するようになった事で、立ち上がりは遅かったが、地域で興味を持ってくれる人や他団体から、見学や参加が来るようになった。また、地域の他団体と少しずつではあるが、話しをする機会が増え、意見交換ができる機会も増えた。なかなか人が集まらなかったが、5月頃から、女性の孤立等に取り組む団体からのお声かけ等もあり、少しずつもの作りへの参加、相談人数が増えていった。また、平塚バプテスト教会のお庭の一部を無料で貸して下さるという事で、教会を様々な理由で利用する人達へのアプローチをして行く事で、協力者や様々なアイディアが産まれるようになった。当団体に来る当事者の中では、二次被害の相談に次いで、「性被害の記憶」というよりも「話す人がいなくて一人ではさみしい。」という相談者がとても多かった。その為、物品を差し上げる事はもちろんしたが、何度でも足を運びたくなるような家庭的な環境作りを出来る限り徹底(一緒に食事を作ったり、食べたりする事)をし、リピートしてくれる人が増えた。公共料金の高騰に伴って、お風呂のみ利用という生活の身近な相談をしてくれる利用者の方も出て来た。②公的支援を受けている女性達の相談を専門職スタッフが受ける事で、行政の担当部署との一部連携をとる事ができるようになった。例えば、長期に渡り精神疾患を患っている当事者の場合は、保健(医療関係者)と直接話す事で、行政だけでは背負いきれない部分の洗い出しと、背負いきれない部分は当団体でのフォローを申し出、実施する事ができた。結果として、行政の担当部署のワーカーと個人的に繋がる事ができ、当事者の生活歴や開示できる範囲の情報を共有し、生活を立て直す基盤つくりに一緒に取り組む事が出来ている。④湘南生活クラブからお声かけを頂き、作品を受注する事ができた。その他、地域イベント(100~300人規模)に当事者も含めて、5回出店参加する事ができた。⑤大学生も参加して5/年開催する事ができたが、コロナ禍で会社や企業等の勤務体系等が変化した為、参加者が少なかった。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
当団体所有の独立したアトリエを開設し、活動日も週5日に増やした。緊急宿泊できる設備を備えている事や部屋の準備も整っていなかった為、当初は大々的に広報はせず、行政や関係機関からの紹介や口コミで開始したが、春ぐらいから「長時間滞在できる居場所」「緊急宿泊できる場所」という事で、当団体のH Pから緊急宿泊や長時間滞在の利用者が入るようになった。平塚市からの相談の傾向として、「性被害」や「二次被害」に次いで、「とにかく話を聞いてほしい」という相談がとても多かった。「成果」の部分にも書いたが、当事者達の「生きずらさ」は「性暴力」に起因するものなのか「精神・発達障害」に起因するものなのかがはっきりしていない為、相談者たちが潜在化してしまっている事案が多い。そこで、専門職である当団体スタッフが担当の部署に電話をしたり、出向いてお話しをしてみると、コミュニケーションの取り方に大きな問題がある事に気が付いた。当団体の相談者のように、性被害当事者の場合、被害直後はとても傷ついているので、温かく接せるべきであるが、そうした心理状態の時に、専門用語(客観的証拠、~という制度)を会話の中で、何度も言われると突き放されているような気がして二次被害の原因となる。同様に、「精神や発達障害」を持っている場合も、制度上の仕組みや、専門用語が会話の中であまりにも多いと、良し悪しでしか当事者は判断できなくなり、問題は潜在化し、更に深刻化していってしまう。二次被害の多くは、実は人材不足からくるコミュニケーションギャップにも思えた。課題としては、そうしたギャップを埋める事であるが、部署にもよるが、行政職員の人数を考えると非常に厳しい事であると考える。一番の理想は全ての大人が倫理観を向上させていく事であるが、現在の日本では難しい状況と言える。そこで、当団体では、コミュ二ケーションギャップを埋める事が出来るような人材育成と性被害以外でも、何等かの当事者であっても共生できる地域つくりを地道に続け、発信していこうと考えている。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.yhw-ohana.com/handmade-ohanalab/
https://www.instagram.com/p/CdOQg1qPc5l/?utm_source=ig_web_button_share_sheet
寄付してくれた人へのメッセージ
この度はたくさんの有難いご寄付、心から感謝しております。長引くコロナ禍で、国民みんなが苦しい中で出してくださったご寄付で、小さい団体ながらも、一生懸命活動したしました。小さい団体ですので、支援人数は少ない様に見えますが、性被害に遭いながらも、一生懸命生きる女性達を支援する事ができました。当事者であっても、その辛い過去から何とか立ち上がり、社会復帰し、皆様に恩返しができるようにこれからも頑張って生きます。また、どんな過去を持っていたとしても、「生きよう」と努力している人がお近くにいましたら、どうぞ皆様も応援してください。