都道府県 滋賀県
助成額 2,100,000円
活動開始日 2021/12/1
活動終了日 2022/12/31
助成金で行った活動の概要
ひのたに園に入所される方の状態像は、65歳以下のいわゆる健常者が一部を占めています。その背景には、不安定な就労形態や景気の減退があり、コロナ禍においてはその傾向が高まっているのが現状です。しかしながら、当園の居室空間は、4人部屋(8室)や2人部屋(33室)といういわゆる多床室が大半を占めており、入所される前に単身生活をされていた方々にとっては、同室者の生活音や就寝時のいびき等が原因による同室者同士のトラブルがしばしば発生していました。また、福祉事務所のケースワーカーの実感として、住まいを失って保護申請に来られた際に、ひのたに園が多床室であることを説明したとたんに、そのことを理由に保護を取り下げるケースもあるとのことであり、コロナ禍において一時的に困窮され、住まいを失った方々にとって必要な制度である一方で、ハード面に課題があることが浮き彫りとなったため、本助成金を活用し緊急に個室を10室設置しました。事業の対象者は、居宅を失った方で、比較的早期に就労先の確保やアパート確保の見通しが立つ、原則65歳以下の方としました。多床室ではなく、単身居室を確保することにより、ストレスを感じることなく安心して次の生活に向けた準備を行うことができる環境を整えました。
活動日数 348
支援対象者実人数 20
支援対象者延べ人数 20
本助成金による活動の成果
本助成金を活用し、仮設壁面やドアの設置を行うことで、2人部屋5室を個室10室に整備することができました。その結果、助成対象期間(2021年12月1日~2022年12月31日)の中で受け入れた新規入居者51人のうち、20人の方々に個室を利用いただくことができました。今回の整備以前は、同室者の生活音や就寝時のいびき等が原因によるトラブルや自主的な退所がしばしば発生していましたが、整備以降はそのようなトラブルはほとんど起こっていません。個室を利用している50代の男性Nさんも「そりゃ、気を使わなくていいし安心して過ごさせてもらっています」と次なる自立生活への準備を進めることができています。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
ひのたに園では、救護施設という施設の特性上、コロナ禍等においては、経済的に困窮し、住居が無い方を対象に就労先の確保や居宅確保に関する支援を行っています。2020年度、本助成事業の第1回募集おいて、新規入所者を受け入れる際の経過観察居室(14日間)に設置する電化製品購入への助成金を頂戴しました。経過観察居室の整備以降、既に150名以上の入所者を受け入れ、うち約100名がアパートや派遣会社の寮へ移行され、生活をされています。また、2021年度には、本助成事業の第4回募集において、多床室での生活による不眠やトラブル解消に向けた、居住空間確保について助成を頂戴しました。その結果、多床室での生活によるストレスを原因とする自主退所は100%解消し、次の地域生活に向けた準備を着実に進められる環境が整いました。一方、現在痛感している課題としては、既に記載しております通り、地域移行後の孤立です。現在、約30名の方々の退所後のフォローアップを行っておりますが、前回の訪問から訪問までの間、誰とも話をしていない方が多くおられることがわかってきています。人口2万人強の日野町においても年間数件孤独死が発生しているという現実を目の当たりにして、緊急に対応が必要と感じています。今後の取り組みとしては、ひのたに園の近隣に物件を確保し、滋賀県健康福祉政策課とも連携をしながら地域生活における孤立解消のモデルづくりに取り組んでいきたいと考えています。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://glow.or.jp/topic/hinotani20230117/
https://www.facebook.com/GLOWsocialwelfarecorporation/posts/pfbid023EivarscDhRn6K6ktowpXtkaGQTx51vhnAeiBofVbD8osmWPkStedmxQZY1WzGNZl
寄付してくれた人へのメッセージ
居場所を失った人への緊急活動応援助成へご寄付をいただいたみなさま本当にありがとうございました。ひのたに園では、本助成金を活用し、1年間で20人の方々の再出発を支援することができました。この20人の方々のほとんどは、コロナ禍による景気の減退を背景として解雇や派遣切りによって職と同時に住まいを失った方々でした。本助成金により個室を整備できたことにより、しっかり時間をかけて、退所後の生活を整えることができました。まだまだ、同様の入所依頼は後を絶たず、現在も整備した個室10室は満室が続いています。ひのたに園では、今後は自主財源をもって順次個室化を進めていきたいと考えています。