都道府県 東京都
助成額 2,970,000円
活動開始日 2021/12/1
活動終了日 2022/12/31
助成金で行った活動の概要
東京都内にて、コロナ禍における様々な困難を抱えた若年女性等に対し利用できる居場所(シャワー室が常備した事務所等を賃借、可能であれば24時間利用可能)を整備し、居場所内では、カフェスペース、休憩スペース等を設け、スタッフの関与のもと、様々な困難を抱えた女性たちが互いに支えあうことができるようにする。居場所内では、スタッフへの「相談する」という心理的ハードルを下げ、一人ひとりが抱える様々な困難な課題を整理していきながら、その方が持つ潜在的な能力を引き出し、居場所だけではない伴奏型支援を通じて、利用者の心身の健康回復・自立支援の促進、社会とのつながりの回復を図る。居所が無い方には必要に応じて公的機関に繋げる。困難を抱える女性は公的支援利用に対して否定的な思いを持っていることが多いため、この拠点は複雑な手続きを踏まずに、気軽に安心して利用できる場所となる。このことは、次のステップへの足掛かりとして大きな意味を持つと考える。また、公的機関へただ繋げて終わりではなく、定期的に関りを続けていくことで、他の隠れた主訴をみつけて、1年~数年をかけて生きづらさの解消に繋げる。希望に応じて、就労支援に繋げる、当団体内で就労を提供しながら、就労へのハードルの解消に繋げる。
活動日数 66
支援対象者実人数 56
支援対象者延べ人数 264
参加ボランティア実人数 6
参加ボランティア延べ人数 132
本助成金による活動の成果
2022年7月~、居場所拠点事業を開始。路上で声掛けした方に困りごとがあったときに相談するスペースとして、緊急の安全を確保や一時宿泊できる場所として活用した。居場所拠点利用者(主に10代)の話からは、自宅が安心と安全な居場所ではない、義父からの性的虐待、ネグレクト(家出公認)、教育虐待などでどうしても死にたい気持ちが消えない気持ちを抱えた同じ境遇の方たちがSNSの情報を通じて都会の繁華街に集まる現状も見えてきた。児童のほとんどは、何度か児童相談所で一時保護された経験があるが、集団行動やスマートフォンが使えないことに苦痛を感じ、行き場のない夜の繁華街をさ迷っていたと述べた。11月以降は、外国人観光客も戻ってきたこともあり、新宿歌舞伎町のホテルは1泊あたり1万円以上かかるようになった。これまでは、児童であれば児童買春の相手方として、成人の場合は性の売買をするなどして集団で格安ホテルを点々としお金が稼げないときは野宿をしてきたが、12月以降はさすがに寒くて厳しいという声を受け、東京都内の繁華街で居所がない若年女性を保護しつつ宿泊を提供した。本助成を通じて、当団体では、1日でも1時間でも若年女性たちが、児童買春・性的搾取に遭わないで済むことに意味があると考え、児童への宿泊を伴う居場所支援を通じて自立支援に繋げる方法を模索していく。(児童相談所・警察署とも連携をしながら進めていく。18歳未満の宿泊は、原則として親権者等から承諾を得られている方に対してのみ提供。必要に応じて、警察署・児童相談所とも連携をとっていく)
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
利用者の証言によれば、東京都内の繁華街に憧れて来る若年女性に対し“泊めてあげる”という言葉を信じて、通過儀礼的に性暴力が行われてきたこと、生活のために性を売らざる得ない状況を作り出している状況がわかった。若年女性は繁華街内で性的搾取に巻き込まれる可能性が高く、その危険を回避するためにも、拠点での一時保護の必要性があり、今後の拠点やシェルター設置についての真剣に検討する必要性を感じた。12月以降の宿所提供では、若年女性(主に児童)が来所する要因としては、親からの虐待(ネグレクト、性、教育虐待も含む)など、家が安心と安全な居場所になっていない方が多かった。宿泊利用者の中で新型コロナウイルス・インフルエンザウイルスに罹患した方が出でてしまったが、隔離する必要性に迫られた。部屋数が少ないため隔離することができずに、一時的にホテルに宿泊を依頼するなどした経験から、複数の拠点運営体制の必要性に迫られた。身分証を全く持ってない利用者も複数いたため、身分証の発行方法や行政機関などの社会資源の活用用法についてもアドバイスを行った。 第三者が見れば、利用者の多くはホームレスもしくはストリートチルドレンであることは一目瞭然であり、明らかに困っている状況に置かれていることがわかるが、利用者自身は、何を困っているのかを言語化できずにいたために「あきらめる」・「支援を必要としてない」と思ってきた方たちであった。本事業実施により少しずつ自分を取り戻しつつある方たちの自立支援の制度化を模索していく。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
【記載なし、このままアップしてください】
寄付してくれた人へのメッセージ
コロナ禍において、弱い立場に置かれ社会的にも孤立した児童や若年女性に対して居場所を提供することができたのは、赤い羽根共同募金によるあたたかい支えがあったからです。心から感謝とお礼を申し上げます。利用者にも赤い羽根共同募金により実施していることを伝えることで、多くの人があなた(利用者自身)に関心を持っていること、社会はあなたを決して見放していないことを伝えています。本当にありがとうございました。