都道府県 東京都
助成額 987,930円
活動開始日 2023/4/1
活動終了日 2024/3/31
助成金で行った活動の概要
本事業では、非行をした、あるいは非行に繋がる恐れがあり、就労に関する悩みを持つ14〜20歳までの少年少女を対象に、就労支援を含む相談支援を実施した。支援を通じて、彼らが目標ややりがいを見つけ、再非行せず、社会定着していくことを目的としている。少年院等を出院した少年の多くは就労するものの、社会経験の少なさや、これまでの生活環境などから、勤務時間までに出勤する、毎日仕事へ通うなど細かなことから躓き、仕事を継続することが難しい状況にある少年も少なくない。住み込み就労につく場合も多く、職場の関係以外に、近くで励まし声をかけてくれる人がいない、仕事内容や職場でのコミュニケーションに躓いたときにどのように対応していいか分からず、居づらくなり、肉体的、精神的にも追い込まれ、数日〜数ヶ月で通えなくなることもある。そして、就労が継続できないことで、不良交友に戻ったり、生活困窮のために窃盗や詐欺などの犯罪に繋がったりなど、再非行しやすい状況に陥ってしまう。当事業では、このような課題に対して、徹底した個別対応を行い、就労・相談支援として、面談を繰り返し、就労や就労継続のための目標設定とフォローアップ、就業先との関係調整、履歴書の書き方や面接練習、既存支援への接続等、就労支援を実施した。
活動日数 366日
支援対象者実人数 12人
支援対象者延べ人数 94人
参加ボランティア実人数 13人
参加ボランティア延べ人数 327人
本助成金による活動の成果
本事業では、12名の少年少女に就労支援を含む相談支援を実施した。実施した内容については、ハローワーク同行3件、就労支援等の団体接続2件、仕事探し1件、会社訪問・連携2件、履歴書記載や面接練習2件、その他の細かなフォローアップが6件であった。ハローワークや就労支援等への接続を実施した少年は、その後、各機関、団体での定期面接、職業訓練・トレーニング受講へとつながり、就労への意欲が高まった。支援を通じて、就労に関する具体的な目標を持ち、意欲的に取り組む様子が見られた。当事業だけでなく、既存のあらゆる支援を利用しながら自立に向かうことができた。また、履歴書の記載トレーニングや面接練習を実施した少年は、相談スタッフと学生ボランティアが一緒に取り組み、ロールプレイを繰り返すことで、少年自身が自分の課題に気づき、主体的、実践的に力をつけることができた。それまで、8社近くアルバイト面接に落ちていたが、トレーニング以降、アルバイトが決まり就労することができた。フォローアップでは、就労している少年に対して、特に頻繁に連絡を取り、就労継続のためのアプローチをおこなった。具体的な相談内容には、雇用主とのコミュニケーションの行き違いが多くあった。支援をしていた少年の多くは、IQが標準値より少し低いグレーゾーンにある少年、発達障害の疑いがある少年、親が精神障害であったり児童養護施設等で育ってきた少年など、彼ら自身の生きづらさやそれまでの養育環境等により、コミュニケーションスキルが不足している状態にあった。そのため、考え方が短絡的になりやすく、何か問題が起きても、どのように上司とコミュニケーションを取れば良いか分からないために状況を改善することができずに、退職につながりやすい状況にある。その時々で問題を整理し、彼らに分かりやすく伝え、そして誤解がある場合には、彼ら自身が上司に話せるよう支援を行なった。一つ一つ丁寧に対応し、彼ら自身が問題を捉え、振り返り、適切に解決していくことで、就労の継続につながった。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
少年院を出院した少年や保護観察期間中の少年などが就労を目指す際、その雇用先の多くが土木系となっている。少年は、高校中退していることも多く、その最終学歴の状況からも職業選択が狭まっている現状がある。少年からも「どうせ土木系の仕事しかない」という声を聞くことも多く、前向きに職業選択をすることが難しい。それゆえに仕事に価値を見出すことができず、職場定着しづらい状況にある。次年度以降は、土木以外にも幅広く職業が選択できるよう環境整備に取り組む。具体的には、企業や支援機関や団体と協働し、職場見学や職場体験、さまざまな職種の人と出会うことのできる機会を創出する。将来的には、当事業と企業が直接連携し、就労へと繋げていく。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://kiminomikata.org/news/763
寄付してくれた人へのメッセージ
コープみらい組合員のみなさま、ご支援いただきありがとうございます。非行をした子どもたちや非行をする恐れのある子どもたちが、相談支援を通し就労を継続し、やりがいを見つけ社会定着していけるよう、継続的な支援を行っていきます。引き続き精進致します。