経済的困窮や不登校など生きづらさを抱える子ども・若者の為の学習支援・居場所事業

団体名 川越子ども応援パントリー

都道府県 埼玉県

助成額 960,000円

活動開始日 2023/4/1

活動終了日 2024/3/31

助成金で行った活動の概要
当会では市内の3カ所で学習教室・子どもの居場所を運営しています。てらこや最明寺教室、てらこや本応寺教室、まごころユースプレイスです。年間を通してほぼ休みなく開室し、長期休暇などではオプションで教室や行事を開催しています。運営側の大人は無償ボランティアスタッフと学生講師ですが、教室の開室時間が放課後くらいからということで、早めの時間から全てのスタッフを揃えるというのは難しい面があります。かたや通ってくる子どもたちも家が遠く、一人で来られない子やお迎えにはこれるものの始まりに送って来られないというご家庭もあります。またご家庭が不安定だったり、環境が複雑だったりで、こちらとしては目を離したくない子というのもあります。そこで無償スタッフに加え、有償で必ず送迎込みで参加できるスタッフを1名配置し、運営に安定性を持たせる工夫をしました。送迎が必要ないずれかのコースを分担して子どもたちを拾って教室に参加し、教室開室中は軽食の準備や子どもたちの遊び相手などをしながら運営の状況を把握し、終了後にまた子どもたちを家まで送り届けるという役割です。同時にプチパントリー開催時は子どもたちを送りながら同時に食品も届けたり、長期休暇中の臨時の教室の際も時間を工面して送迎の協力をしてもらうなど、教室運営を下支えする役割を担ってもらいました。

活動日数 169日

支援対象者実人数 30人

支援対象者延べ人数 2,000人

参加ボランティア実人数 20人

参加ボランティア延べ人数 400人

本助成金による活動の成果
「子どもたちが一人で通って来られない」というのは物理的な距離の問題にとどまりません。親御さんに「通ったら」と促されたものの、本人が積極的に通いたいと考えているわけではないので自分で苦労してまでは登室しない、というケースもあります。いずれにしても送迎の保障をすることで安心して登室できる環境が整うという子は多いので、川越市のような面積が広い自治体では尚更、送迎の意義は大きいと考えています。そして通ってくるうちに、時間はかかりますが子どもたちも成長します。2023年度まで3年間送迎を続けた子のケースですが、4月に高校生となり、「今度は自分で来たいときに自転車で来ることにしないか」と声をかけ、本人もその気になっています。やはり教室がその子にとっての大切な居場所の1つになっている、登室することになにがしかの意義を感じている、体力もついて自転車で通うことに自信が出てきた、など様々な理由が考えられますが、子どもたちの自立を目指す私たちにとっては大きな成長・成果を感じているところです。それから、環境が複雑だったりその子が不安定だったりという子たちも、通ってくれれば長い目で見守っていけます。そしてやはり、中学生になって本人なりの自覚が際立ってきた子もいます。そういう子どもたちを見守っていけるのも、送迎して教室に連れてくることがとても大きいと感じています。送迎するスタッフと子どもたちは、車の中でも会話し、教室とはまた違った情報が出てくることもあります。それをまた役員で共有しながら教室運営やその子の見守りにフィードバックすることもかなり有用なストリームとなっています。そしてもう一つ、送迎の担当者が送迎バスの運転手のように単に運転だけをするのではなく、教室運営にも関わることで情報共有や車内での会話の意味についてより大きな意義を持ってくるようにも感じています。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
実は当会では最初から「送迎があります」と謳って子どもを集めている訳ではありません。なぜなら、教室で見られる数にも送迎できる人数にも限りがあり、特に送迎は自家用車が必要、運転に最低限のスキル(自信)が必要、開室時間までに動けるといった様々な条件をクリアしなければならないので、簡単なようでとても難しいのです。何らかの事情で教室と縁ができ、送迎すれば通ってこれる、という条件がその子にあれば、なんとか送迎が手配できないかと後手で動いているのが実情です。特に、危なっかしい子、目が離せない子というのは、本音を言えばこちらからお願いしても登室して欲しい、ということで送迎を充てるのですが、祝日も休みなく開室している当会の事業では、継続して安定的にスタッフを確保するのがとても大変です。「有償」というのは1つの保障にはなりますし、今後は送迎だけでなく、パントリーや教室運営全般を見てくれるような常勤スタッフを雇えるような条件を作っていかなければならないと痛切に感じているところです。有償の送迎スタッフはその第一歩という位置づけでもありましたが、少しずつ、安定して運営ができるような態勢を構築していきたいと考えています。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02QttwLrLcew4KUK2otGGnYqaeEmoxkPQ93sv7YKiViFU2kSPXB8mbNKaNyzeQfE8Dl&id=100018257371306&locale=ja_JP
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02yBJaxpuhPfamh9L1hJq7Ke6pkwPCaofRFG1hfRp5zKWn5YXftYaQhrA7rF6yYan7l&id=100018257371306&locale=ja_JP



寄付してくれた人へのメッセージ
組合員のみなさま、1年間本当にありがとうございました。子どもたちの成長というのはなかなか目に見えるものではありませんし、一進一退というか、もどかしい面も併せ持っているものです。また、一人ひとりにも手がかかり、次から次に課題も出てくるので多くの子をいっぺんに幸せにするというのは難しいものがあります。それだけに、皆さんから見て「こんなにお金を使ってたったこれだけの成果?」と思われることもあるかもしれませんが、間違いなく、子どもたち一人ひとりに何かしら染み入り、あるいはなにがしかのインパクトを与えているものと確信しております。私たちの目の前の子どもたちはきっと、社会への目をもった優しい人に成長してくれるだろうとも手応えを感じております。どうかみなさま、これからも温かい目で見守っていいただけますようお願い申し上げます。