【赤い羽根福祉基金助成事業】高島市で進む空き家活用型住民福祉活動拠点での地域ケアの推進と関係機関との協働

滋賀県 高島市社会福祉協議会では、合併前の旧市町である市内6地域に住民福祉協議会を設置して地域ごとに特色ある活動を行っています。

3年間の赤い羽根福祉基金の助成により、住民福祉協議会で地域内の「空き家」を活用した地域協働のケア拠点が誕生しました。

 

高島地区の拠点「まちあかり」では、地域の高齢者に対する配食活動から始まり、高齢者サロン「お休み処 まちあかり」の開催、地元商店と連携したお買い物・送迎サービスへと発展していきました。今年度からはこども食堂も開設、若い世代が運営スタッフに加わりつつあります。

 

 

 

「市民病院との連携(高島まちあかり)」

 

 

 

 

「小学生との交流(高島まちあかり)」

 

朽木地区の拠点「くっつき」では、専門職(保健市、理学療法士)や関係機関(行政の支所や障がい者作業所)との協働が広がっています。

そのなかで、「健康」に対する思いを強く持っている地域の高齢者に欠かせない存在として拠点が機能しています。

 

 

 

 

「学童との交流(朽木くっつき)」

 

 

 

 

「保健師との協働(朽木くっつき)」

 

また、今津地区の拠点「より処」では、参加者の主体性が引き出されることで、参加者とスタッフがともに支えあう関係が築かれています。

 

 

 

「大正琴の活動(今津より処)」

 

この事業の運営委員会の藤井博志委員長(関西学院大学教授)は、地域に拠点を設置することで、住民や関係機関・専門職に対する「活動の見える化」に成功していること、どの拠点も「週一回」を活動の基本としていることで、継続性と発展性がうまく引き出されていること、定期的に開催されていることで、多様な機関や資源が入ってきて、活動が活性化されることなどのポイントが評価されています。

特に今津地区の「より処」での、認知症の高齢者が無理なく参加できている、という点について、認知症の方は、住み慣れた「民家」で、「お友達」のいる場所はすんなり受け入れることができること、参加者かスタッフか境目がはっきりしない人員構成が「くらしの再現」の意味をもち、非常に大きな効果をあげていると評価されました。

赤い羽根福祉基金による助成は今年度で終了しますが、今後、整備された地域ケア拠点をさまざまに活用して、住民参加型の活動を深化させていくことに期待しています。