地域歳末たすけあい

 概 要

名称 地域歳末たすけあい運動
実施期間 令和4年12月1日~12月31日 1か月間
募金目標額

41億5,361万6,608円

寄付金の受付

寄付金は、最寄りの共同募金会の窓口で受け付けています。
最寄りの共同募金会(共同募金委員会)の連絡先は、「赤い羽根データベースはねっと」で地域を検索してください。

寄付金のつかいみち

(1)地域の福祉ニーズをもつ方(世帯)への支援
(2)年末や新年を機会とする地域の幅広い人々が参加する地域福祉活動
(3)たすけあいによるセーフティーネットの仕組みづくり

実施要項

令和4年度 地域歳末たすけあい運動実施要項(PDF)

推進主体 社会福祉協議会、民生委員児童委員協議会、共同募金委員会を中心に、地域実情に応じて必要な組織
 

寄付金のつかいみち

事例1 年始応援セット配布事業
宮城県 亘理町社会福祉協議会

宮城県亘理町社会福祉協議会では、新型コロナウイルス等により心身や生活環境に多大な影響のあった世帯へ、生活に必要な食材等を詰め合わせたセットの配布事業を実施しました。
もともとフードドライブ事業を実施していたなかで継続的支援が必要な方が多かったことや、新型コロナウイルスの影響により、緊急的に生活にお困りの方が増加していたという状況がきっかけでした。
ひとり暮らし高齢者や、貸付等を受け継続的な支援が必要な方など計 287 世帯へ食材セットを配布しました。このうち 25 世帯は、新型コロナウイルスの影響で自宅療養を余儀なくされた子育て世帯に対し、お菓子などの子ども向け食材配布を行いました。
配布の際には、担当者が最近の暮らしぶりや経済的状況を伺うようにし、必要ならフードドライブ事業や貸付事業にお繋ぎするなど、支援先の方々を孤立させないよう聞き取りも丁寧にしていきました。

事例2 ひとり暮らし高齢者の見守り訪問事業
青森県 八戸市社会福祉協議会

青森県八戸市社会福祉協議会では、コロナ禍で閉じこもりがちなひとり暮らし高齢者の見守り訪問の際、小学生からのお手紙と、日用品を配布する事業を行いました。
令和元年度までは、小学校に地域の方々が集まり交流する機会を設けていましたが、コロナ禍になり令和2年度は中止となりました。しかし新型コロナウイルスによる影響は長期化し、ひとり暮らし高齢者の方が地域住民と交流する機会はさらに減少していきました。
そのため令和3年は、ひとり暮らし高齢者の方々の孤立を防ぐため、例年交流していた小学校の児童からのお手紙と、生活に必要な日用品を配布しながら見守り訪問を実施し、計93名を支援することができました。
配布先の方からは、「コロナ禍で小学校に行けなくなり、交流ができず寂しく思っていましたが、今回お手紙をいただき、元気が伝わってきてうれしく思います」といった声をいただきました。

 

事例3 緊急的な食の支援・相談貸付業務の強化
茨城県 坂東市社会福祉協議会

茨城県坂東市社会福祉協議会では、緊急的に支援を必要としている世帯への食材配布や、コロナ禍で潜在的な生活支援ニーズを抱える方への貸付相談業務の強化を行いました。
民生委員や児童委員による見守り活動を通し、要支援者を把握していったほか、ひとり親家庭支援事業などのイベントに参加いただいた方などにも声をかけ、必要により貸付相談や食材配布事業につなげていきました。
支援を受けた方からは、「コロナ禍になってから、マスクや消毒液などの出費が増えているので、こうした支援を受けられるのはありがたい」といった声をいただきました。
今後も緊急的に支援を必要としている方々に、広く支援が行き渡るよう取り組んでいきます。

 

事例4 玄関前除雪支援事業
新潟県 燕市社会福祉協議会

新潟県燕市社会福祉協議会では「玄関前除雪支援事業」を実施しており、高齢者又は障がい者のみの世帯等を対象に、積雪により日常生活に支障をきたしている場合の除雪支援を行 っています。
昨年の積雪量は例年に比べ少なめでしたが、自治会の方で緊急的に除雪支援が必要な世帯をまとめ希望者を募ったところ、市内で 140 世帯への支援につながりました。
除雪作業には自治会、シルバー人材センターの方にご協力いただき、除雪を通し、安否確認も兼ねて声かけを行うなど、孤立防止にもつながるよう実施しています。
実際に活動いただいた方からは「自分も地域の役に立てるのは嬉しい。除雪活動を通して、車イスの方が住んでいるのが分かった。災害が起こった時には安否確認をしたい。」といった声もいただいており、新たなつながりや支え合いを作るきっかけになっています。

 

沿 革

1906(明治39)年、救世軍の山室軍平中将が「日露戦役中は、前線の兵士に慰問袋を送り、戦勝の今は貧乏と戦う貧困家庭を慰問激励しよう」と提唱したのが、歳末たすけあい運動の起こりと言われています。それに応じた毎日新聞(注・現在の毎日新聞とは異なる)が、紙面を通じて同情金を募集し、一般の人々に呼びかけました。その後、昭和初期の世界的な不況が契機となって、全国各地に方面事業助成会の主催する歳末同情週間が広まりました。この寄付金で、気の毒な人たちなどに餅などが配られましたが、戦争が激化するに従い、この募金は中止されました。

戦後、混乱した社会経済状態の中で、戦災者、引揚者、傷痍軍人、失業者など、助けを必要とする多くの人々がおり、その日常生活は非常に悲惨でした。このため、政府の提唱で、「国民たすけあう運動」を展開しようという計画が進められました。また、全日本民生委員連盟でも、「歳末同情運動」を計画しました。
しかし、同時期に共同募金運動の計画が進められており、厚生省の調整のもとに、「共同募金」としてまとめられ、「国民たすけあい共同募金運動」として、共同募金が始まりました。この動きとともに、共同募金とは別に、再び歳末同情品を募集する動きが各地で自然に起きてきました。これが、地域歳末たすけあいの起こりです。その後、民生委員・児童委員協議会が主催する歳末たすけあい運動として発展していきました。全国各地で、歳末時期に、生活相談、健康相談、就職斡旋、生活困難者への慰問・激励など、幅広い活動が行われました。

1959(昭和34)年、歳末たすけあい募金が、共同募金の一環となり、歳末たすけあい運動の内、「寄付者からの寄付金や品物」に関し、共同募金として、各都道府県共同募金会や市町村共同募金委員会が取り扱うことになりました。

2015(平成27年)年に運動実施要項の改正が行われ、社会的孤立や経済的困窮の状態にある生活困窮者、虐待、権利侵害など今日的な生活課題を抱えた方々、東日本大震災や豪雨災害等により被災した方々への支援活動の展開や、その解決・予防に向けた住民の理解づくり、体制整備等をさらに推進する趣旨から、スローガンおよび実施方針の変更などが行われました。

2020(令和2)年、新型感染症によるパンデミックにより、社会的孤立や経済的困窮の課題が複雑化・深刻化しています。歳末たすけあい運動は、これまで以上にその役割が求められています。

 

寄付金の推移(歳末たすけあい)

年度 金額(単位:千円)
H20(2008) 5,207,336
H21(2009) 4,987,852
H22(2010) 4,851,018
H23(2011) 4,797,872
H24(2012) 4,644,037
H25(2013) 4,585,456
H26(2014) 4,451,340
H27(2015) 4,391,668
H28(2016) 4,302,732
H29(2017) 4,211,534
H30(2018) 4,111,642
R1(2019) 4,016,572
R2(2020) 3,699,150
R3(2021) 3,688,990